一帯は井戸などにも炭酸が混ざるという、「炭酸地帯」。明治初年にはその効能から薬泉と喧伝(けんでん)され、県外からも人がやって来るほどとなりました。炭酸水の井戸は、今もこんこんと湧き出すのが大塩温泉炭酸水炭酸場で、平成27年からは「奥会津金山天然炭酸の水」として出荷もされるようになりました。
明治時代には天然炭酸水をヨーロッパにも輸出
明治8年に太陽水として会津近郊の薬屋などで販売を開始。
さらに明治36年には「清涼飲料水之新研究」(大正4年)という著書もある倉島謙が、岩代天然炭酸鉱泉株式会社を設立。
明治38年に「BANZAI MINERAL WATER」(「万歳炭酸水」)として発売し、「芸者印タンサン・ミネラル・ウォーター」の名でヨーロッパに輸出されていました。
それでも地の利はなく、会津若松まで運ぶのも山越えの18里(72km)。
ついに休業に追い込まれてしまいます。
その炭酸水の井戸が、大塩温泉共同浴場近くにある大塩温泉炭酸水炭酸場。
「遊離炭酸(二酸化炭素)は1500ミリグラム以上」とのことで、誰でも自由に水を汲むことができます。
実は冬場のほうが飲みやすく、夏場は水位が下がり、鉄が濃くなって飲みにくくなるとのこと。
大塩には「天然炭酸水保存会」も結成されています。
さらに、特殊潤滑剤メーカーのハーベス(本社=埼玉県さいたま市浦和区)が、「奥会津金山 天然炭酸の水」として製造・販売する工場(会津事業所大塩工場)を建て、「G7伊勢志摩サミット 2016」の卓上水にも採用されています。
ちなみに大塩地区北側の要害山(標高664.7m)には中世に大塩中山城が築かれ、山ノ内氏の居城となっていました。
大塩温泉炭酸水炭酸場 | |
名称 | 大塩温泉炭酸水炭酸場/おおしおおんせんたんさんすいたんさんば |
所在地 | 福島県大沼郡金山町大塩 |
関連HP | 金山町公式ホームページ |
電車・バスで | JR只見線会津大塩駅から徒歩15分 |
ドライブで | 磐越自動車道会津坂下ICから約47km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 金山町産業課商工観光係 TEL:0241-54-5327/FAX:0241-54-5335 |
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