御倉邸(旧日本銀行支店長役宅)

御倉邸(旧日本銀行支店長役宅)

福島県福島市御倉町にある日本建築が御倉邸(旧日本銀行支店長役宅)。阿武隈川の舟運で経済的に発展した福島市には、明治32年、東北初の日本銀行出張所(福島支店の前身)が開設されていますが、御倉邸は、日本銀行支店長役宅として昭和2年に建てられたもの。一帯は御倉町地区公園として整備されています。

金融恐慌の中、建築された純和風の建物

阿武隈川の舟運、絹の集散地として栄えた福島市。
明治32年7月15日、東北地方で最初の、全国では本店を除く7番目の日本銀行の支店として誕生したのが福島出張所開設(福島県制施行の翌年です)。
店舗は、福島一の糸問屋「万国屋」から購入したもので、福島が東北の金融の中心地だったことがよくわかります。

現存する日本銀行支店長役宅は、昭和2年の金融恐慌まっただ中に建てられたもの(金融恐慌の嵐は福島にも吹き荒れ、昭和2年6月には福島商業銀行の休業しています)。
日本銀行福島支店では、特別融資を行なうほか、支店長記者会見なども実施し、一躍、脚光を浴びる存在になった時でした。

御倉邸(旧日本銀行支店長役宅)は、寄棟造り、瓦葺き屋根の木造平屋建て、阿武隈川を借景にした日本庭園と中庭を取り囲むように各部屋が配されています。
御倉町地区公園の施設として一般に開放され、展望デッキやお休み処として「おぐら茶屋」が整備。
隣接する河川敷も公園となっているので、のどかな雰囲気が満喫できます。

戦前の日本銀行の役宅として現存するのは福島市と新潟市(砂丘館/昭和8年築)の2ヶ所だけとなっています。

御倉邸(旧日本銀行支店長役宅)
名称 御倉邸(旧日本銀行支店長役宅)/おぐらてい(きゅうにっぽんぎんこうしてんちょうたくたく)
所在地 福島県福島市御倉町1-78
関連HP 福島市公式ホームページ
電車・バスで JR福島駅から徒歩15分。または、福島交通バス荒井方面行きで荒町下車、徒歩3分
ドライブで 東北自動車道福島西ICから約4.6km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 御倉邸(旧日本銀行支店長役宅) TEL:024-522-2390/FAX:024-522-2390
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
砂丘館(旧日銀支店長役宅)

砂丘館(旧日銀支店長役宅)

明治以降、お屋敷街として開発された新潟県新潟市中央区西大畑町、新潟砂丘の上に建つのが砂丘館(旧日銀支店長役宅)。昭和8年の建築当時、日本銀行新潟支店長役宅として建てられた木造2階建ての近代和風住宅で、設計も日本銀行の技師・平松浅一の手による

 

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