福井県坂井市三国町、越前三国の瀧谷寺の森から流れる辰巳川に架かる小さな橋が思案橋。小さな橋ながら丸岡藩(滝谷出村)と福井藩(三国湊)の藩境で、往時には三国湊の花街(出村遊里)の入口にあたることからに「行こうか、帰ろうか」と思案に暮れた場所にもなっていたのです。思案橋横には福井藩の川口番所が置かれていました。
花街(出村遊里)の入口に架る橋は藩の境
三国湊は、越前の諸藩や幕府直轄領が九頭竜川水系の舟運を使い三国湊に年貢米を集め、江戸や大坂などへ廻送する、北前船で栄えた港。
江戸時代、三国湊には福井藩や幕府の米蔵、商人の町蔵が並んで繁栄していたのです。
北前船の寄港する三国湊の遊里は、廻船問屋や文化人も集まるサロン的な気風も有し、「荒町屋」抱えの遊女・哥川(かせん=後に遊郭豊田屋の楼主になります)は、永正寺第17世の永言(俳名・杉原巴浪)に俳諧と書を学び、能書家としても知られていました。
出村の遊里は滝谷出村遊郭とも呼ばれましたが、遊郭のように囲われ、隔離された場所ではありませんでした。
ちなみに三国湊には出村、松ケ下、新地と3ヶ所の遊里があって賑わっていましたが、出村遊里は格式も高かったのです。
思案橋 | |
名称 | 思案橋/しあんばし |
所在地 | 福井県坂井市三国町神明3-6 |
電車・バスで | えちぜん鉄道三国港駅、または、三国駅から徒歩8分 |
ドライブで | 北陸自動車道金津ICから約15km |
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