筑波山神社は筑波山をご神体として祀る山岳信仰の霊場。祭神となる筑波山の中腹にあり、登山道の起点ともなっています。双耳峰である筑波山山頂の男体山には筑波男大神の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、女体山には筑波女大神の伊弉冉尊(いざなみのみこと)が祀られ、それぞれの山頂に本殿が建てられています。
縁結び、夫婦和合に御利益大!
拝殿は、筑波山ケーブル宮脇駅のある山腹(標高270m)。
拝殿より山上部分(354ha)は筑波山神社の神域(境内)となっています。
本殿は、男体山、女体山の山頂にありますが、これが古来からの鎮座地と推測できます。
筑波山神社は男女二神を祀っているので、縁結びや夫婦和合の祈願で有名。
古代に筑波命(つくばのみこと)が筑波国造(つくばのくにのみやつこ)に任じられ、祭政一致で奉仕したと推定されています。
奈良時代末から平安時代初め頃に、現在の拝殿ある山腹に法相宗の僧・徳一(とくいつ)が筑波山寺(中禅寺)を開き、修験道の道場として発展。
神仏混淆(しんぶつこんこう)の中世には筑波両大権現(両部権現)と称して繁栄しました。
1191(建久2)年には源頼朝が参詣し、神領を寄進しています。
中禅寺は、坂東三十三箇所第25番札所にもなっていて、多くの参詣者を集めていたのです。
山麓の拝殿には神仏混淆・中禅寺時代の名残が!
明治初めの神仏分離、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって中禅寺は廃寺、その跡地に筑波山神社の拝殿が創建されています(拝殿は明治8年造営)。
拝殿周辺に形成される門前町は、中禅寺時代からのもの。
拝殿前に建てられている随神門(ずいしんもん)は、かつての中禅寺仁王門で、1811(文化8)年の再建。
応時に祀られていた仁王像は神仏分離の際、桜川から筏で流され、東福寺(つくば市松塚)に運ばれています。
参道の神橋(しんきょう)も中禅寺時代の名残で、1633(寛永10)年、3代将軍・徳川家光による寄進、1702(元禄15)年、5代将軍徳川綱吉が改修したもの。
筑波山山麓には古代の遺跡や古墳が多く、八幡塚古墳(つくば市沼田)は初代筑波国造の阿閉色命(あべしこのみこと)の墓に比定されています。
筑波山最大で重要な祭礼が『御座替祭』(おざがわりさい)。
元来は冬至と夏至に行なわれていたもので、夏と冬に親子の神が山頂の本殿と中腹の拝殿で神座が変わるもの。
春には御山の神が里に下り、農作を見守り、秋には再び御山に帰るというわけで4月1日と11月1日に斎行されています。
徳川将軍家に尊崇された江戸時代には、『御座替祭』は江戸城鎮護の神事となっていました。
筑波山神社のおもな年中行事
1月1日=元旦祭/初祈祷が奉仕され、山頂の本殿では初日の出を遥拝
1月3日=元始祭/物事の始めの祭典
1月第2月曜=成人祭/満20歳になった男女が参拝し、社会に対する責任を自覚し神前でその誓いを立てます
2月10日・11日=年越祭/旧暦正月14日の追儺式(豆まき)
3月4日=祈年祭/穀物の豊穣を祈るとともに国家の安泰を祈請する祭礼
4月1日=御座替祭/筑波山神社の例大祭(御本殿の神衣祭、拝殿の奉幣祭、神幸祭の総称)
4月最終土曜=赤宮祭/境内社の日枝神社・春日神社の例祭
6月15日=厳島神社例祭/境内社の厳島神社の例祭
6月30日=夏越の大祓/半年のうち、知らず知らずの間に積もった罪と汚れを祓います
11月1日=御座替祭/筑波山神社の例大祭(御本殿の神衣祭、拝殿の奉幣祭、神幸祭の総称)
12月5日=新嘗祭/新穀をお供えし、収穫を神恩に感謝する祭礼
12月31日=年越の大祓/半年のうち、知らず知らずの間に積もった罪と汚れを祓います
筑波山神社 | |
名称 | 筑波山神社/つくばさんじんじゃ Tsukubasan Shrine |
所在地 | 茨城県つくば市筑波1 |
関連HP | 筑波山神社公式ホームページ |
電車・バスで | つくばエクスプレスつくば駅から関東鉄道バス、つくバス筑波山口行きで35分、終点下車、つくバス筑波神社行きに乗り換え10分、終点下車、徒歩5分。またはJR土浦駅から関東鉄道バス筑波山口行きで45分、終点下車、つくバス筑波神社行きに乗り換え10分、終点下車、徒歩5分。筑波山口までは東京駅から常磐高速バスも利用できる |
ドライブで | 常磐自動車道土浦北ICから約20km |
駐車場 | 100台/有料 |
問い合わせ | 筑波山神社 TEL:029-866-0502/FAX:029-866-0565 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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