茨城県笠間市、笠間駅の南に広がる丘に洋画家、日本画家、彫刻家、陶芸家、染織家など40戸ほどのアトリエが点在する、「芸術の村」。北大路魯山人(きたおおじろさんじん)が住居としていた北鎌倉の茅葺き民家を昭和40年に移築したのが春風萬里荘。笠間日動美術館の分館になっています。
内部には北大路魯山人遺作の陶磁器などを展示
もともとは高座郡御所見村(現在の藤沢市北西部)の豪族で大庄屋でもあった伊東家の母屋を北大路魯山人が北鎌倉に移築した古民家(江戸時代初期の築)。
「春風萬里」とは、李白(りはく=中国の唐代の詩人)の漢詩(『唐詩選』巻四「送儲邕之武昌」にある「黄鶴西樓月 長江萬里情 春風三十度 空憶武昌城」)からとった言葉で、北大路魯山人が好んで用いていたものなのだとか。
春風萬里荘の内部には北大路魯山人遺作の陶磁器などが展示され、見学が可能。
春風萬里荘内の喫茶「春風庵」では抹茶やコーヒー、あんみつなどでくつろぐことができます。
春風萬里荘の前には広大な回遊式庭園があり、茶室「夢境庵」は、千利休の孫・千宗旦の名茶室「又隠」を手本として、魯山人自らが設計した茶室。
さらに裏には龍安寺の石庭を模したという枯山水庭園も配されています。
秋の紅葉は実に見事です。
ちなみに笠間の「芸術の村」は、北大路魯山人没後(昭和34年没)、昭和39年、洋画家・朝井閑右衛門(あさいかんえもん)、小説家・田村泰次郎(たむらたいじろう)が銀座の日動画廊の創業者・長谷川仁(はせがわじん/尋常小学校時代に笠間で生活)と笠間に訪れた際に、笠間にアトリエを作りたいという作家の要望で、芸術の村構想が誕生。
昭和47年には長谷川仁・林子夫妻が創業45年と金婚式を記念し、私財を投じて笠間日動美術館を開館しています。
春風萬里荘 | |
名称 | 春風萬里荘/しゅんぷうばんりそう |
所在地 | 茨城県笠間市下市毛1371-1 芸術の村 |
関連HP | 春風萬里荘公式ホームページ |
電車・バスで | JR水戸線笠間駅から徒歩20分。または、JR常磐線友部駅からかさま観光周遊バスで春風萬里荘下車 |
ドライブで | 北関東自動車道友部ICから約5km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 春風萬里荘 TEL:0296-72-0958 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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