2025年は、日本各地でかつてない暑い夏を迎えました。そんななか、日本一暑い大都会はどこだったのでしょう。うだる夏、蒸し暑いで自他ともに認める名古屋市は、9月8日(月)に48日目の猛暑日(最高気温が35度を超える日)を記録、暑い大都市を裏付けていますが、それを超えるのが京都市です。
名古屋はなぜ暑いのか
運動会の練習が行なわれる9月となっても猛暑日は記録され、名古屋市は今後の気温の推移をみても50日以上になることは確実視されています。
伊吹山地や鈴鹿山脈(標高1100m~1400m)一帯で暖められた空気が濃尾平野に下降、その際に空気は圧縮されて温度が上がること(山越えによる乾いたフェーン現象)が、名古屋市が暑い理由です。
2025年の夏、名古屋市は、西寄りの風が多く、伊勢湾からの海風が入り込みにくかったことも、暑さの大きな原因に。
それにヒートアイランド現象、朝の最低気温が高かったことや晴れて日照時間が多かったことなどが重なり(しかも都市部ほど夜も暑いことがより顕著に)、過去に経験したことのない暑い夏となったのです。
そのため、名古屋地方気象台や三重県桑名市では観測史上1位の最高気温も記録しています。
2024年から「経験のない猛暑の大都市」となった京都市
そんな名古屋市の48日の猛暑日(9月8日現在)を超えるのが京都市。
京都市の猛暑日は2022年の25日、2023年の43日でしたが、2024年には54日と2年間で倍以上に増加。
2025年は、9月3日(水)に猛暑日の日数が55日に達し、2024年の54日を上回って過去最多に。
しかも最低気温が25度を下回らない「熱帯夜」も9月2日までに57回記録し、昨年に続いて50-50を達成しています。
9月8日(月)時点では猛暑日は名古屋市の48日を大きく上回る57日で、ダントツで「日本一暑い大都会」となっているのです。
そんな京都市でも、1950年代~60年代は8月に6日前後、1990年頃までは最高気温が30度を超える日は年に数日(熱帯夜は毎年10日前後)ほどしかなかったのが、2020年台に入ると8月を中心に猛暑日が頻繁に現れるようになり、温暖化が近年、顕著化していると推測できます。
京都の夏の風物詩、鴨川の川床(かわゆか)も、昨年夏からランチ営業は中止となっていますが(クーラーのある店舗内での営業)、 川床で気温が45度にもなることがあり、熱中症になりかねないから。
かつては川からの涼しい風で、昼でも涼を感じることができましたが、昨年からはそんな涼も感じられなくなり、7月〜8月のランチの川床営業は行なわれなくなったのです(夜の営業は実施)。
京都の夏が暑いのは、海からの海風などが入ってこないことが大きな要因。
名古屋と同様に山越えの風がフェーン現象のような効果をもたらすことも。
さらに内陸部にあるため、日照が長いために、土壌が乾燥、地面温度をさらに高くする効果が加わり、暑い盆地となっているのです。
これに大都市特有のヒートアイランド効果がプラスされていると考えられています。
近接する大阪平野全体の大都市化も京都の夏の暑さの原因のひとつで、大阪湾からの涼しい海風は期待できません。
日本一暑い大都会はどこ!? 名古屋VS京都|2025年版 | |
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