国許と江戸藩邸のあいだで文書を運んだ飛脚足軽の組屋敷地に残っていた2軒の足軽長屋を長町武家屋敷跡に移築したのが金沢市足軽資料館。平成2年に移築された清水家と、平成6年に移築された高西家で、ともに移築前までは住居として使用されていました。足軽(下級武士)の質素な暮らしぶりに触れることができる貴重な資料館となっています。
藩政時代の足軽の質素な生活が偲ばれる
高西家の館内には足軽の生活を解説したパネルも展示され、藩政時代の生活の様子も垣間見ることができます。
ともに木造平屋建てで、屋根は石置き板葺きです(板の上に石をおいて重しにしたもの)。
足軽屋敷は、加賀藩の足軽飛脚の屋敷地であった旧早道町(清水家=現・金沢市幸町、高西家=現・金沢市菊川2丁目)から移築されたもの。
屋敷の周囲に生垣を配し、内側に植木が施されていた状態を再現しています。
横を流れるのが大野庄用水です。
加賀藩の足軽住宅
加賀百万石の城下町・金沢で、武士の中でももっとも位が低かった足軽の居住地は53.9ha。
城下全体から見ると7.4%にすぎません。
厳しい階級社会で、上級の武士は上屋敷と下屋敷を抱えて、藩に君臨していたのです。
城下全体から見ると7.4%にすぎません。
厳しい階級社会で、上級の武士は上屋敷と下屋敷を抱えて、藩に君臨していたのです。
加賀藩の足軽の戸数は、幕末に4607戸(維新期に卒族とされた戸数)で、「足軽組地」に住んだ加賀藩直属の足軽戸数は、2689戸ありました。
裕福だった加賀藩の足軽屋敷は、あくまでも一戸建てが原則で、平足軽で50坪、小頭で70坪という宅地規定が定められていました。
屋敷の周りに生垣を配し、その内側に20~25坪ほどの平屋の家を建てるのが一般的。
足軽の組屋敷は、一戸建てが10戸ずつ整然と並ぶ景観が広がり、現在の団地のような雰囲気になっていました。
コンパクトな造りの足軽の屋敷は、明治以後の庶民が暮らす一戸建て住宅の原型にもなっています。
金沢市足軽資料館 | |
名称 | 金沢市足軽資料館/かなざわしあしがるしりょうかん |
所在地 | 石川県金沢市長町1-9-3 |
関連HP | 金沢市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR金沢駅から北陸鉄道バス香林坊方面行きで8分、南町下車、徒歩10分 |
ドライブで | 北陸自動車道金沢西ICから約6.3kmで長町観光駐車場 |
駐車場 | 市営長町観光駐車場(20台/有料)や香林坊地下駐車場(813台/有料)などを利用 |
問い合わせ | 金沢市足軽資料館 TEL:076-263-3640 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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