2024年7月22日(月)、広島県廿日市市の厳島神社で『管絃祭』が斎行されます。旧暦6月17日に行なわれるもので、平安貴族が都で行なった優雅な「管絃の遊び」を今に伝えるもの。厳島神社を造営した平清盛はこの遊びを厳島神社に移し、神様を慰める神事として執り行なったのです。「日本三大船神事」にも数えられています。
旧暦で行なわれるのは潮と月の関係で
『管絃祭』が行なわれるのを6月17日(旧暦)としたのは、海上の神事であるため、潮の干満を考慮したから。
旧暦は、月暦とも呼ばれるように、月の満ち欠けを基本にした暦(こよみ)。
そのため、潮の加減も勘案できるというわけなのです。
台風の多い旧暦の7月、8月(現在の8月〜9月)を避け、旧暦6月の大潮の日を狙ったため。
日が傾く頃に御本殿から出御して、夜半に御本殿還御となるとほぼ満月に近い月が昇り、瀬戸の海を明るく照らす6月17日(旧暦)が選ばれたというわけなのです。
そのため、現在も単純に西暦にすることなく、旧暦(月暦)で行なわれているのです。
御祭神が乗る御座船(管絃船)が夜の海へ船出
厳島神社の祭神が乗る御座船(管絃船)は、対岸にある摂社・地御前神社までの海上を、舳先の左右に篝火(かがりび)を焚き、艫(とも)に吊るした4個の高張提灯、二十数個の飾り提灯などに明かりを灯し、夕刻(御本殿出御16:00)から深夜(御本殿還御23:00)に掛けて瀬戸の海を渡ります。
厳島神社本殿で発輦祭(はつれんさい)に始まり、神様を乗せた御鳳輦を大鳥居沖の御座船に運び、大鳥居前の儀が斎行されます。
その後、管絃を奉奏しながら対岸の地御前神社に向かいます。
途中、火建岩(ほたていわ)沖で停船し、潮が高くなるのを待ちます。
潮が満ち、地御前神社前に御座船が入れるようになった頃、地御前神社からの水先案内となる御迎船がやってきます。
地御前神社に到着すると、浜辺で祭典と管絃が奉奏されます。
祭典後、御座船は三匝(三度回ること)し、宮島の長浜神社に向かいます。
長浜神社、大元神社と順次祭典が執り行なわれ、大鳥居をくぐり、摂社・客神社前で祭典と管絃の奉奏。
さらに狭い桝形に入り、御座船は三匝しながら管絃を奉奏します。
この部分が『管絃祭』のクライマックスで、参拝客の拍手が響きます。
『管絃祭』 おもな行事日程
発輦祭=15:00
御本殿出御=16:00
大鳥居前の儀=16:40
火立岩(停船)=18:00
地御前神社=19:20
(社前で御座船三匝)
長浜神社=20:40
大元神社=21:30
火焼前=22:10
客神社前=22:30
(枡形で御座船三匝)
御本殿還御=23:00
厳島神社『管絃祭』|2024 | |
開催日時 | 2024年7月22日(月)、旧暦6月17日 |
所在地 | 広島県廿日市市宮島町1-1 |
場所 | 厳島神社 |
関連HP | 厳島神社公式ホームページ |
電車・バスで | JR宮島口駅からJR連絡宮島航路または松大観光船で10分、宮島桟橋下船、徒歩15分 |
ドライブで | 山陽自動車道廿日市ICから約4.7km。または、大野ICから約5kmで宮島口 |
駐車場 | 宮島口市営駐車場(166台/有料)、もみじ本舗駐車場(500台/有料) |
問い合わせ | 厳島神社 TEL:0829-44-2020/FAX:0829-44-0517 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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