盛岡天満宮

盛岡天満宮

岩手県盛岡市、盛岡城下の東、天神山に建つ菅原道真を祭神とする神社が盛岡天満宮。盛岡藩主の南部氏が三戸(さんのへ)時代から祀っていたと推測される古社で、現在地に遷座したのは延宝7年(1679年)。石川啄木お気に入りの狛犬(こまいぬ)があり、啄木の散策と読書の場所としても知られています。

啄木が「石馬」と呼んだ愛らしい狛犬も

ユニークな顔立ちの狛犬は、明治38年、上小路(現・盛岡市茶畑)の石工・高畑源次郎が、病気回復のお礼に自刻して奉納したもの。
石川啄木の小説『葬列』(明治39年)に、「俺は生まれてから未だ世の中といふものが西にあるのか東にあるか知らないのだ、と云つた様な顔だ」という記述がありますが、それがこの狛犬のことだと推測されています。

明治38年といえば啄木は結核を発病し、父に連れられて故郷に帰り、『岩手日報』に評論を連載、啄木というペンネームを使い始めた頃。
この年に堀合節子と結婚してもいるのです。

啄木の見た時代には狛犬は地面に直接置かれ、啄木は狛犬のことを「石馬」と呼んでいました。
子供たちが馬乗りになって遊んでいたから。
現在は石馬が出てくる短歌「松の風夜晝ひびきぬ 人訪はぬ山の祠の 石馬の耳に」「夏木立中の社の石馬も 汗する日なり 君をゆめみむ」がはめ込まれた台座(昭和8年設置)に座っています。

岩の亀裂から古銭が見つかったという花崗岩の巨石「銭湧石」、岩の割れ目から梅が生える「石割梅」などもあるのでお見逃しなく。
天満宮が建立される以前に、この地には花垣館(室町時代の守護大名・斯波氏の家臣が築城、その居館)があり、「銭湧石」の古銭はその当時のものと推測されています(花垣館の主郭に盛岡天満宮が建っています)。

画像協力/岩手県観光協会

盛岡天満宮
岩の割れ目から梅が生える「石割梅」
盛岡天満宮
名称 盛岡天満宮/もりおかてんまんぐう
所在地 岩手県盛岡市新庄町5-43
電車・バスで JR山岸駅から徒歩25分。または、JR盛岡駅から岩手県交通バス水道橋行きで15分、天満宮前下車、徒歩5分
ドライブで 東北自動車道盛岡IC、または、盛岡南ICから約8.5km
駐車場 参拝者専用駐車場を利用
問い合わせ 盛岡観光コンベンション協会 TEL:019-604-3305
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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