岩手県一関市にある旧沼田家武家住宅(旧沼田家武家屋敷)は、江戸時代後期に一関藩の家老職を務めた沼田家の旧宅。寄棟造りの直屋(すごや)形式で、磐井川は、昭和22年〜23年の「アイオン・カスリン台風」など何度も氾濫しましたが、水害で倒壊することなく現存する貴重な上級武士の遺構で、無料で見学することができます。
農民住宅から武家屋敷への変遷過程もわかる貴重な建物
旧沼田家武家住宅は、18世紀の初頭から中頃の築で、当時の農民住宅の様式をベースに、武家住宅として体裁を整えていく過程を示した貴重な建物です。
沼田家がここに暮らしたのは他家との屋敷替えによる寛保元年(1741年)以降のこと。
城主である田村家は、仙台藩・伊達氏の内分分知の分家筋で延宝9年(1681年)3月に陸奥岩沼より田村建顕(宗永)が移封され、以降、明治維新に至るまで一関藩は田村家の治世が続きました。
一関藩の城下町は、現在の一関駅西側一帯で、藩庁は城というより陣屋で、往時の一関藩の陣屋門は、毛越寺に移築されています。
一関税務署一帯が陣屋の跡ですが、その北東200mほどの場所に旧沼田家武家屋敷は位置しています。
さすがに家老職だけあり、陣屋への出勤も徒歩数分の距離です。
逆に旧沼田家武家住宅には城主をもてなす上座敷が備えられています(縁石と長机は往時のままに現存)。
ちなみに水害でも流されなかったのは、柱を根石(自然石)の上に立て、光がもれないほどに密着させる(石の形状に柱の底をピッタリと合わせる)「ひかり付け」という技法を使っているからで、数寄屋大工の技術の真髄を今に伝えています。
一関周辺で取材班おすすめの宿は!?
一関の名所、猊鼻渓、岩手サファリパーク、幽玄洞、そして世界遺産の平泉と、観光の拠点になるのが猊鼻渓の川下りの舟を運航するげいび観光グループの「館ヶ森高原ホテル」(たてがもりこうげんほてる)、そして眺望の良い高台に建つ「かんぽの宿一関」が人気です。
館ヶ森高原ホテル
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客室はツイン、ファミリールーム、ハンディキャップルームと洋室で、まさにリゾートホテル。
夕食は和洋が選択可能です。
大浴場はトロン原石を利用した人工温泉です。
かんぽの宿一関
部屋は和室の他に洋室、和洋室もあり、近年は洋室、和室ベッドタイプの人気が高まっています。
風呂は天然温泉(宝竜温泉「宝の湯」)で露天風呂も完備。
前沢牛、いわて南牛(一関のブランド牛)など地の素材を活かした料理は宿泊プランによって変わるので、予約の際に確認を。
旧沼田家武家住宅 | |
名称 | 旧沼田家武家住宅/きゅうぬまたけぶけじゅうたく |
所在地 | 岩手県一関市田村町2-18 |
関連HP | 一関市公式観光情報サイト |
電車・バスで | JR一ノ関駅から徒歩10分 |
ドライブで | 東北自動車道一関ICから約3.5km |
駐車場 | 9台/無料 |
問い合わせ | 一関市いきがいづくり課 TEL:0191-21-8188 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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