中央前橋駅(群馬県前橋市)と西桐生駅(桐生市)を結ぶ、群馬県のローカル私鉄が、上毛電鉄(じょうもうでんてつ/正式名は上毛電気鉄道)。昭和37年〜平成3年に京王・井の頭線(いのがしらせん)に導入された京王3000系電車がメインの車両で、前面形状は、懐かしい「湘南形」(湘南顔)です。
京王電鉄井の頭線で活躍した「湘南形」が現役で活躍!
東急車輛がアメリカのバッド社から導入した技術を用いて製造した京王初のオールステンレス車両で、昭和38年に鉄道友の会「ローレル賞」を受賞。
京王・井の頭線で活躍しましたが、平成23年11月〜12月に引退記念イベントが行なわれて運用が終了し、一部が上毛電鉄、北陸鉄道、岳南鉄道、松本電気鉄道(アルピコ交通)、伊予鉄道に譲渡され、関東では上毛電鉄で懐かしい姿を見ることができます。
上毛電鉄では、それまで東武鉄道から譲り受けた3000系、3050系を300型、350型として運用していましたが、非冷房、保守費用の増大化などの問題を抱えていたため、平成10年〜平成12年に3000系電車(2両8編成)を譲渡され、700型として運用を開始。
ワンマン運転を実施するため、運転台後部の座席を撤去し、運賃箱を設置するなど大幅な改造が行なわれていますが、外見は懐かしい京王3000系電車です(カラーリングも京王時代とは異なります)。
上毛電鉄では、省エネ効果が期待できることから、東京メトロ日比谷線で使用された東京メトロ03系3編成を導入し、令和6年2月29日から700形の一部を置き換えるかたちで800型として運用のため、8編成中、5編成が700型(旧京王3000系電車)ということになります。
りなみに上毛電鉄は大正15年5月に開業。
自社発注の新造車両は大正15年〜昭和2年に導入した3形式7両のみで、以降はすべて譲渡車両です。
湘南型(湘南顔)とは!?
国鉄の80系電車の増備車で採用された前面非貫通2枚窓で前面傾斜のあるスタイルの通称が湘南型(湘南顔)。
東京〜沼津間の中距離列車に投入されたことが名の由来で、車体塗装の緑とオレンジのツートンカラーも「湘南色」と称されています。
昭和20年代後半〜昭和30年代に2枚窓で鼻筋が通った湘南型(湘南顔)は流行となり、電気機関車のEF58形も端正な湘南形です。
西武鉄道も501系、101系などに採用し、京王線と井の頭線で軌間の異なる京王帝都電鉄(京王電鉄)も京王線用2700系、井の頭線用の1900系、3000系が湘南型。
首都圏ではこのほか、東急5000系、京急500形、京成1600形、東武5700系、小田急2300形、相模鉄道5000系も鼻筋の通った湘南型でしたが、譲渡されたり、引退したりで、大部分が姿を失っています。
一見すると昔の井の頭線、実は上毛電鉄! | |
所在地 | 群馬県前橋市城東町3-1-1〜桐生市宮前町2-1-33 |
関連HP | 上毛電鉄公式ホームページ |
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