東経135度子午線が通るまち、明石

東経135度子午線が通るまち、明石

明治19年、世界標準時であるイギリスのグリニッジから135度、時差9時間の位置上の時刻を、日本の標準時に定めています。明石市は、明治43年に明石郡校長会が日本で最初に標石を建立(標石は子午線交番前に現存)したことから「子午線のまち」といわれているのです。

明石市立天文科学館がシンボルタワー

東経135度子午線が通るまち、明石
子午線の通る人丸前駅ホームから眺めた明石市立天文科学館

子午線とは、中国では、古い時代から方位や時刻を十二支で表しますが、真北が子(ね)、真南が午(うま)なので真北と真南を結ぶ線が子午線ということに。
その意味では子午線は無数にあることになり、明石の子午線は、あくまでも「日本標準時の基準となる東経135度子午線」(日本標準時子午線)なのです。

明石市立天文科学館の塔時計にJSTMの文字がありますが、これがJapan Standard Time Meridian(日本標準時子午線)の略。
日本で使用している時刻は、東西に長い日本のほぼ中央を通る東経135度子午線を基準にしているので、日本の正午にはこの明石市立天文科学館の真南に太陽(平均太陽)が見えることになります。

昭和26年に、天文測量に基づく子午線の再測量が行なわれ、その成果を生かし、「天文測量をに基づく子午線上」に天文科学館が建てられています。
つまり、54mの塔はそのものが子午線標識になっているので、展望室の窓の中央に子午線が通っていることに。

子午線塔の上部には標準時を示す大時計が設置されています。
阪神・淡路大震災のとき、5時46分で止まったままだった当時の大時計は現在、神戸市西区の神戸学院大学で保存されています。

展望室から眼下に見える山陽電鉄・人丸前駅のホームにも白線で子午線が敷かれ、プラットホームに子午線が交差する唯一の駅となっているのでお見逃しなく。

国道2号に立つ子午線標識(日本中央標準時東経百三十五度 子午線通過標)は、昭和3年の天文測量で定められた位置(現在の子午線は約10m東側)にある標識で、隣接して局内外に子午線の表示線が描かれた「明石子午線郵便局」も建っています。
明治43年に、各地に先駆けて立てられた日本最初の標識「大日本中央標準時子午線通過地識標」横には、天文ドームのような大蔵交番(子午線交番)があります。

ちなみに地図上(三角測量)の135度線は天文科学館より西側に位置しています。
実は、天文測量(天文経緯度)、三角測量(地理学的経緯度・日本測地経緯度)、GPS測量(地理学的経緯度・世界測地系緯度)の3つの子午線が存在し、天文科学館はあくまで天文測量に基づいたもの。
日本測地経度(地図)の東経135度子午線は、明石市立天文科学館の西370m付近を、世界測地経度の東経135度子午線は、明石市立天文科学館の西120m付近を通っています。

なお、東経135度の子午線は、明石市だけでなく京丹後市、福知山市(以上京都府)、豊岡市、丹波市、西脇市、加東市、小野市、三木市、神戸市西区、明石市、淡路市(以上兵庫県)、和歌山市(和歌山県)も通過し、モニュメントも各地に立てられています。

東経135度子午線が通るまち、明石
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