小豆島中央部に位置し、東西7km、南北4kmにおよぶ大渓谷が、寒霞渓(かんかけい)。花崗岩、安山岩などが浸食され、奇岩・奇峰群となったもので、古くは『日本書紀』に応神天皇が岩に鉤(かぎ)をかけて登ったとの記述から、鉤掛山、神懸山と呼ばれていました。後に明治の儒学者、藤沢南岳が寒霞渓と命名したことから現在に至っています。
「日本三大奇景」のひとつにも数えられる絶景
大正12年に「神懸山(寒霞渓)」として国の名勝に指定され、それを契機に昭和9年には瀬戸内海国立公園が設置されました。
この瀬戸内海国立公園は、雲仙国立公園(現・雲仙天草国立公園)、霧島国立公園(現・霧島錦江湾国立公園)とともに、日本初の国立公園となっています。
耶馬渓(大分県中津市)、妙義山(群馬県下仁田町、富岡市妙義町、安中市松井田町)と並んで「日本三大奇景」(日本三大奇勝)にも
小豆島固有の種・ショウドシマレンギョウをはじめ、シュンラン、ヤマボウシ、ギボウジなど2000種が自生、遊歩道から楽しむことが可能です。
また紅葉の名所として知られ、紅・黄葉する植物だけでも50種を数えるほど。
見頃は11月上旬~11月下旬頃。
寒霞渓ロープウェイに乗車すれば絶景が
山麓の紅雲亭から山頂までは全長917mの寒霞渓ロープウェイが通じており、所要5分ですが断崖の岩肌を望み眺望絶景。
ロープウェイ寒霞渓山頂駅のある三笠山の山頂へはドライブルートとしても東から県道29号寒霞渓公園線(小豆島ブルーライン)、西から県道27号土庄神懸線(小豆島スカイライン)が通じているので、車でも到達可能。
徒歩なら登山道利用で所要約1時間30分。
また山頂駅、山頂駐車場のある三笠園地(寒霞渓山頂広場)に2ヶ所(第一、第二)の展望台があり、瀬戸内海や四国の山並みが一望できます。
散策路を利用して徒歩5分で、鷹取展望台。
さらに10分ほど歩けば四望頂展望台です。
寒霞渓表十二景
一景と二景は寒霞渓ロープウェイの「こううん駅」周辺に、三景〜八景はゴンドラの窓から見学ができます。
九景〜十二景は、四望頂展望台周辺で。
一景 通天窓(つうてんそう)
二景 紅雲亭(こううんてい)
三景 錦屏風(きんびょうぶ)
四景 老杉洞(ろうさんどう)
五景 蟾蜍岩(せんじょがん)=カエルが這っているように見える
六景 玉筍峰(ぎょくじゅんぽう)
七景 画帖石(がちょうせき)
八景 層雲壇(そううんだん)
九景 荷葉岳(かようがく)
十景 女羅壁(じょらへき)
十一景 烏帽子岩(えぼしいわ)
十二景 四望頂(しぼうちょう)
寒霞渓裏八景
寒霞渓ロープウェイの山頂駅がある三笠園地(寒霞渓山頂広場)から裏八景遊歩道を使って観賞します。
一景 鹿岩(しかいわ)
二景 松茸岩(まつたけいわ)
三景 石門(せきもん)
四景 大師洞(たいしどう)=小豆島霊場第18番札所「石門洞」
五景 幟岳(のぼりだけ)
六景 大亀岩(たいきがん)
七景 二見岩(ふたみいわ)
八景 螺貝岩
小豆島は「マグマ研究者の聖地」として目下注目の場所になっているのです。
寒霞渓付近は、大規模な複成火山帯の中心部に、厚く堆積した火山砕屑岩が気の遠くなるような昔、大地震によって大規模に崩壊した跡地と推定されています。
寒霞渓 | |
名称 | 寒霞渓/かんかけい Kankakei Gorge |
所在地 | 香川県小豆郡小豆島町神懸通 |
関連HP | 寒霞渓ロープウェイ公式ホームページ |
電車・バスで | 土庄港ターミナルから小豆島バス寒霞渓線で50分紅雲亭下車、ロープウェイ乗り場 |
ドライブで | 土庄港から約17kmで山頂 |
駐車場 | 300台/無料 |
問い合わせ | 寒霞渓ロープウェイ TEL:0879-82-2171 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag