弥谷寺(四国八十八ヶ所霊場第71番札所)

弥谷寺(四国八十八ヶ所霊場第71番札所)

香川県三豊市三野町、標高382mの弥谷山中腹にある、真言宗善通寺派の大本山が弥谷寺(いやだにじ)。弥谷山は、古くから死霊の住む山として信仰された霊山で、天平年間、聖武天皇の勅願により行基が開山。空海が修業した名刹で、四国八十八ヶ所霊場第71番札所。

修験の地だった歴史を今に伝える霊山

行基が開山した当時は、中国、四国の八国が眺められたことにちなみ蓮華山八国寺と呼ばれていましたが、9歳~12歳の時に修行した空海が、入唐後、再び入山し岩窟(獅子之岩屋)で修行をしていると、蔵王権現のお告げで5本の剣が降る霊を感得したことから、「剣五山弥谷寺」と名を改めています。
寺宝の経典には天平年間の養老8年(724年)のものがあり、天平時代開基を裏付ける史料になっています。
室町時代には、東院、西院、中尊院と6坊を備える大寺となりますが、戦国時代に兵火で焼失、荒廃。
中尊院のみが存続し、丸亀藩主・京極氏の帰依により江戸時代に再興しています。

四国遍路(四国八十八ヶ所霊場)随一の難所として知られ、境内まで急勾配の石段が370段、さらに本堂までは170段の石段が続いています。
大師堂の建つ400段目まで、駐車場から送迎バス(有料)が運行。

岩壁に埋め込まれたようにして建つ本堂と大師堂、空海修行の場とされる岩窟「獅子の岩屋」(奥の院)、阿弥陀三尊が刻まれた磨崖仏などがあり、「獅子の岩屋」には大師像のほか、父君・母君・摩崖仏などが安置されています。
大師堂から本堂へ向かう途中の岩壁にあり、空海が刻んだ伝わる阿弥陀三尊像(磨崖仏)は、その前で真言を唱えると極楽往生が約束されると伝えられています。

現在の本堂が建築される以前には、本堂裏の岩穴に千手観音が安置し、岩山全体が御本尊となっていました。
本堂下にある、水場横の洞窟が神仏の世界への入口だとされ、古代の山岳信仰(神仏習合の修験道)から「辺路信仰」(へじしんこう)への変遷を今に伝える貴重な場所にもなっています。
讃岐遍路道「曼荼羅寺道・根香寺道」は国の史跡。

弥谷寺(四国八十八ヶ所霊場第71番札所)

四国八十八ヶ所霊場(四国遍路) 霊場間の距離・時間

70番札所・本山寺(香川県三豊市豊中町本山甲1445)・・・(車13km・30分/徒歩12.2km・3時間20分) ・・・71番札所・弥谷寺(香川県三豊市三野町大見70)・・・ (車5km・10分/徒歩4km・1時間)・・・ 72番札所・曼荼羅寺(香川県善通寺市吉原町1380-1)

弥谷寺(四国八十八ヶ所霊場第71番札所)
名称 弥谷寺(四国八十八ヶ所霊場第71番札所)/いやだにじ
所在地 香川県三豊市三野町大見70
関連HP 弥谷寺公式ホームページ
電車・バスで JRみの駅からタクシーで10分
ドライブで 高松自動車道三豊鳥坂ICから約4km
駐車場 20台/有料
問い合わせ 弥谷寺 TEL:0875-72-3446
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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