廬山寺

廬山寺

京都府京都市上京区北之辺町、京都御所の東側にある円浄宗の本山が、廬山寺(盧山天台講寺)。延暦寺中興の祖、元三大師(がんざんだいし)良源が天慶年間(938年~947年)に船岡山の南に開いた与願金剛院が起源で、豊臣秀吉の寺町造営で現在地に移転。現寺地は紫式部が『源氏物語』を執筆した邸跡で、『源氏庭』も築かれています。

角大師護符、身代大師お守りも授与

宮中で良源が悪鬼を退散させた故事にちなんだ節分行事『追儺式鬼法楽』(ついなしきおにほうらく)が有名です。
慈恵大師(じえだいし)、元三大師(がんざんだいし=命日が正月の3日であることに由来する通称)と呼ばれる良源は、第18代天台座主。
大変法力が強く、様々な伝説をも生み出し、角大師(つのだいし)として信仰されてきました。
平安時代に登場した「角大師の像」は病魔・悪魔がよりつかず、一切の災厄から逃れる魔除けの護符として喧伝(けんでん)され、廬山寺の授与品も、角大師護符、角大師の焼き印入り木札が入った「身代大師お守り」など。
「角大師護符は、鬼門を避けるため、北東向きには貼らないようにご注意を」(廬山寺)とのこと。

毎月3日は月例の『元三大師護摩供』で、天保6年(1835年)再建の元三大師堂で護摩が焚かれます。

現在の寺域は紫式部の曽祖父、権中納言・藤原兼輔(ふじわらのかねすけ)が建てた屋敷跡、つまりは紫式部の住居跡で、『源氏物語』『紫式部日記』は廬山寺(盧山天台講寺)で執筆されたとか。
堂内には関連資料が展示されるほか、白砂と苔が美しい「源氏庭」も昭和40年に作庭されています。
氏物語に出てくる「朝顔」は、桔梗(キキョウ)のことであり、桔梗(キキョウ)の開花期の6月末〜9月初旬には、多くの人で賑わいます。

元亀2年9月12日(1571年9月30日)、織田信長の比叡山焼打ちの際、織田信長に仕える明智光秀に正親町天皇(おおぎまちてんのう)が廬山寺は廬山寺は延暦寺とは本末関係はなく、戒律を守る律家寺であるから焼打ちしないようにと頼み、その結果、焼き討ち、迫害を逃れています。
正親町天皇女房奉書は国の重要文化財。
こうした由来から、明智光秀の念持佛も寺宝として残されています。


「京都七福神」の毘沙門天を祀っています(日本最古の七福神巡りは「都七福神めぐり」で、都七福神」とは異なります)。
京都七福神は廬山寺(盧山天台講寺)のほか、大黒天(妙円寺)、弁財天(妙音堂)、福禄寿(遣迎院)、恵比寿神(護浄院)、寿老神(革堂)、布袋尊(大福寺)の7ヶ寺。

廬山寺墓地内には、豊臣秀吉が京都の都市計画・都市改造の一環として鴨川の氾濫から市街を守る堤防、京防衛の防塁として築いた御土居(おどい)の一部が残されています。

廬山寺
名称 廬山寺/ろざんじ
所在地 京都府京都市上京区寺町通広小路上ル扇町
関連HP 廬山寺公式ホームページ
電車・バスで JR京都駅から市バスで19分、府立医大病院前下車、徒歩3分
ドライブで 名神高速道路京都南ICから約9.5km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 廬山寺 TEL:075-231-0355
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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