総本山善通寺（四国八十八ヶ所霊場第75番札所）

香川県善通寺市、空海誕生の地に建つ真言宗善通寺派の古刹、総本山善通寺。四国八十八ヶ所霊場第75番札所。高野山、京都の東寺と並ぶ弘法大師の三大霊場のひとつで、真言宗で最初の根本道場。唐から帰朝した空海が、一族の菩提を弔うため中国・長安の青龍寺を模して伽藍を建立したと伝わります。

大師三大霊場に数えられる空海誕生の地

『多度郡屏風浦善通寺之記』（江戸時代中期成立）によれば、弘仁4年（813年）に完成したと伝わる古刹。
寺名は、寺地を寄進した空海の父・佐伯善通（さえきよしみち）の名をとって。

鎌倉時代に佐伯家の邸宅跡（つまりは空海生誕の地）に誕生院が建立され、江戸時代までは、善通寺と誕生院のそれぞれに住職を置くという別々の寺院でしたが（誕生院が善通寺全体を監督、管理）、明治維新の廃仏毀釈の荒波で、誕生院は、善通寺に合祀されています。

広大な境内は東院と西院に分かれ、創建以来の寺域で、伽藍（がらん）と呼ばれる東院には金堂（本堂）、高さ45mの五重塔などが配されています。

江戸時代まで誕生院だった西院には、御影堂、宝物館、宿坊「いろは会館」（大師の里湯温泉）などがあり、宿坊は、空海誕生の地に宿泊し、朝勤行に参加できるとあって人気を博しています。

御影堂の奥殿は、空海の母・玉寄御前（たまよりごぜん）の部屋のあった場所だと伝えられ、大師信仰の聖地となっています。
奥殿には、空海自筆と伝わる本尊・瞬目（ひめき）大師像が秘仏として安置。
また、御影堂地下には暗闇のなか御宝号を唱えながら大師と結縁する道場「戒壇めぐり」が用意されています。

寺宝も多く、空海が唐から持ち帰った金銅錫杖頭（しゃくじょうとう）や一字一仏法華経序品は国宝。

昭和50年公開の映画『少林寺拳法』（監督・鈴木則文、主演・千葉真一）のロケ地にもなっています。

ちなみに空海生誕の地である善通寺市には四国八十八ヶ所霊場の第72番札所・曼荼羅寺（まんだらじ）から第76番札所・金倉寺（こんぞうじ）まで5ヶ寺があり、善通寺市内だけを巡る遍路も可能です。

四国八十八ヶ所霊場（四国遍路） 霊場間の距離・時間

74番札所・甲山寺（こうやまじ／香川県善通寺市弘田町1765-1）・・・（車2km・5分／徒歩1.5km・20分） ・・・75番札所・善通寺（ぜんつうじ／香川県善通寺市善通寺町3-3-1）・・・ （車5km・10分／徒歩2.3km・35分）・・・ 76番札所・金倉寺（こんぞうじ／香川県善通寺市金蔵寺町1160）

甲山寺（四国八十八ヶ所霊場第74番札所）

香川県善通寺市弘田町、甲山の麓、弘田川左岸にある真言宗善通寺派の古刹が甲山寺（こうやまじ）。山号は医王山、四国八十八ヶ所霊場第74番札所。本尊は、空海が満濃池建設の際、工事の無事を祈願して自刻したという檜の一木造りの薬師如来像です。満濃池修

金倉寺（四国八十八ヶ所霊場第76番札所）

香川県善通寺市金蔵寺町にある天台宗寺門派の古刹、金倉寺（こんぞうじ）。山号は鶏足山（けいそくざん）、本尊は薬師如来で四国八十八ヶ所霊場第76番札所。当地は、空海の甥・円珍（智証大師、比叡山延暦寺5代座主）の誕生地で、金倉寺は宝亀5年（774