毎年8月14日、愛知県西尾市で『貝吹の鍵万燈』(かいふくのかぎまんとう)が行なわれます。西尾市東端、万灯山の西斜面で盆の行事として行なわれる火祭り。平安時代後期の僧兵合戦犠牲者の霊を鎮めるために始まったと伝えられる歴史ある灯明。夜空に灯る火線が「鍵型」(かぎがた)なのが名の由来です。
遅くとも江戸時代初期には始まっていた!
平安時代後期の応徳・寛治年間(1084年~1094年)、「浅井千坊」(真言宗)、「須美千坊」(天台宗)という寺院群の対立から万灯山で僧兵の合戦が発生。
この犠牲者の霊を鎮めるため108の火を灯して供養したのが始まりと伝わります(江戸時代中期の『友うづら夢物がたり』による)。
寛永7年(1630年)創建の長圓寺が山号を「万燈山」なので、すでに江戸時代初期には行なわれていたことがわかっています。
万灯山の西側斜面に「スズミ」(ツボラ)とよばれる柴の山108基が、かぎ形に約200mにわたって並べられ、夜空に「かぎ型」が浮かび上がります。
岡崎、吉田と並ぶ三河三都として繁栄した西尾は「小京都」と呼ばれており、全国京都会議にも参加しています(愛知県では目下西尾のみ加盟、犬山市は平成20年に退会)。
『鍵万燈』は『京都五山送り火』に似た盆の送り火行事。
20:30~21:00頃に点灯し、20分~30分ほどで終了します(天候によって異なります)。
万灯山北麓には徳川家康に仕え、江戸町奉行、 京都所司代を務め、江戸幕府が長期政権となった基礎を築いた板倉勝重(いたくらかつしげ)廟所がある、板倉勝重再興の長圓寺(西尾市貝吹町入101)も建つので、時間があれば寄り道を。
板倉勝重の次男・板倉重昌(いたくらしげまさ)は、島原の乱で戦死していることから「島原殉難諸士之墓」という石碑も立っています。
貝吹の鍵万燈|西尾市 | |
開催日時 | 毎年8月14日 |
所在地 | 愛知県西尾市貝吹町 |
場所 | 万灯山 |
関連HP | 西尾市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 東名高速道路岡崎ICから約14km |
問い合わせ | 西尾市観光協会 TEL:0563-57-7882 |
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