在来線で日本一「長い駅間」は、なんと37.3km、乗車券1040円! その理由とは!?

在来線で日本一「長い駅間」は、JR北海道の石北本線の石北峠越えの上川駅〜白滝駅間で、その距離は37.3kmもあります。東京駅からだと、東海道本線でいえば横浜駅の先、東戸塚駅あたりまでの駅間となります。大阪駅からJR京都線なら京都駅の手前、桂川駅までの駅間で、恐ろしく駅がないことがよくわかります。

途中の5駅が廃止され、長い駅間が誕生!

なぜ上川駅〜白滝駅間に駅がないかといえば、かつて途中に5駅ありましたが、利用者減少で廃止されてしまったから。
天幕駅(てんまくえき/2001年7月1日廃止)、中越駅(なかこしえき/2001年7月1日廃止)、上越駅(かみこしえき/1975年12月25日廃止)、奥白滝駅(2001年7月1日廃止)、上白滝駅(2016年3月26日廃止)

単線区間のため、中越駅、上越駅、奥白滝駅は列車交換設備があったため、信号場に代わっています。
上川駅〜白滝駅間には、上川郡(上川町)と紋別郡(遠軽町・えんがるちょう)の郡境、かつての天塩国と北見国の国境になる北見峠が立ちはだかっています。
その北見峠を、石北本線(石狩国と北見国を結ぶ本線の意)は北見トンネルで抜けていますが、昭和7年に鉄道省により鉄道が敷設された頃は、森林開発などで少し賑わいもありましたが、戦後の高度成長とともに廃駅となった駅周辺にはほとんど人家もなくなり、結果として駅間距離が伸びることに。

上越信号場は、石北本線の最高地点(全長4329mの石北トンネル内、644m)に近い標高634mの高所にあり、信号場としては北海道最高所に位置しています。
中越(なかこし)、上越(かみこし)というのは、北見峠への登りの過程を表す旧道時代の名称で、中越信号場近くには、「中越官設駅逓所跡」(なかごしかんせつえきていしょあと)の碑も立っています。
駅逓とは、北海道独自の制度で、地元の名士が委託されて営業、旅人の便宜を図った宿駅。
往時の旅人は、ヒグマの出没に身を震わせながら、北見峠を越えたのです(北見峠越えの道は明治時代に囚人を使って開削したため「囚人道路」とも称されています)。

上川駅〜白滝駅間37.3kmは山岳区間なので、最も速い特急で36分も要しています。
普通列車で所要41分、乗車券はなんと1040円。
ひと駅で1000円オーバーは、在来線ではここだけです。

廃駅跡を訪ねる人もいますが、クマの出没地帯なので、十分な注意が必要です。

在りし日の上白滝駅
在来線で日本一「長い駅間」は、なんと37.3km、乗車券1040円! その理由とは!?
所在地 北海道上川郡上川町中央町〜紋別郡遠軽町遠軽白滝
場所 上川駅〜白滝駅
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日本で一番「短い駅間」はなんと200m、その理由とは!?

日本で一番「短い駅間」(駅と駅の間の距離)は、普通鉄道では松浦鉄道・西九州線の中佐世保駅〜佐世保中央駅、そして筑豊電気鉄道・黒崎駅前駅〜西黒崎駅で、ともにわずか200mしかありません。松浦鉄道は、国鉄・松浦線が昭和62年にJR九州に、そして

 

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