環境省の全国ガンカモ一斉調査を見ると白鳥の飛来数は、新潟県、宮城県、山形県がトップ3。関東では茨城県、栃木県におもにオオハクチョウが、千葉県、群馬県、埼玉県にコハクチョウが飛来していることが明らかに。関東5県から手頃に白鳥を観察できる白鳥飛来地15ヶ所を紹介しましょう。
茨城県
2023年1月調査の環境省『第54回ガンカモ類の生息調査』(全国一斉調査)では、茨城県内では、オオハクチョウ1297羽、コハクチョウ432羽が確認されています。
関東ではダントツのオオハクチョウ飛来数で、その数は秋田県、新潟県に匹敵するほど。
首都圏の人がオオハクチョウを近場で見るなら、茨城県の白鳥飛来地へ!
古徳沼|那珂市
所在地:
最大飛来数:250羽(オオハクチョウ、コハクチョウ)
内容:江戸時代に築かれ、元禄14年(1701年)に改修された5haの農業用溜池
昭和41年にオオハクチョウが初飛来し、現在ではオオハクチョウ、コハクチョウを観察可能
一の関ため池親水公園、中里溜池、文洞溜池とともに那珂市の白鳥飛来地ですが、もっとも飛来数が多いのが古徳沼
菅生沼|坂東市・常総市
所在地:城県坂東市神田山
最大飛来数:300羽(おもにコハクチョウ)
内容:南北5km、東西の幅は200m~500mという細長い沼で、周辺は232haにおよぶ茨城県最大の自然環境保全地域
国道354号に近く駐車場も整備される菅生沼天神山公園(坂東市神田山)、「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」(坂東市大崎)付近、南側の菅生沼ふれあい広場(常総市菅生町)がおすすめスポット
白鳥の里|潮来市
所在地:茨城県潮来市水原
最大飛来数:100羽(オオハクチョウ)
内容:北浦の畔にある白鳥飛来地
昭和56年に6羽訪れたのが始まり、今では関東屈指のオオハクチョウ観察スポットに
大塚池公園|水戸市
所在地:茨城県水戸市大塚町1832
最大飛来数:300羽(オオハクチョウ)
内容:常磐自動車道水戸ICの東、国道50号と50号バイパスの合流点近くにある風致公園が、大塚池公園で、水戸市内では随一の白鳥観察地
牛久沼|龍ケ崎市・牛久市
所在地:茨城県龍ケ崎市佐貫町・牛久市新地町
最大飛来数:30羽(コブハクチョウ)
内容:周囲20km、面積6.5haという大きな沼で、最大水深3m、平均水深1mという浅い沼
コブハクチョウは、昭和38年皇居から一対の番(つがい)を譲りうけ、それが繁殖したもの(過去にはオオハクチョウ50羽が飛来したことも)
栃木県
2023年1月調査の環境省『第54回ガンカモ類の生息調査』(全国一斉調査)では、栃木県内では、オオハクチョウ204羽、コハクチョウ236羽が確認され、少しオオハクチョウの飛来数が減少しています。
羽田沼|大田原市
所在地:栃木県大田原市羽田
最大飛来数:100羽(オオハクチョウ、コハクチョウ)
内容:雑木林と水田に囲まれた4.7haの農業用貯水池(昭和45年にコハクチョウが初飛来)
沼の西岸に羽田沼野鳥公園が整備され観察が可能
琵琶池|大田原市
所在地:栃木県大田原市藤沢
最大飛来数:50羽(コハクチョウ)
内容:自然の沼地に幕末〜明治初めに堤を築き、昭和30年に箒川から水を引いて田んぼへの給水が始まった灌漑用の池
一帯165haは琵琶池鳥獣保護区に指定
五行川白鳥飛来地|真岡市
所在地:栃木県真岡市田島
最大飛来数:200羽(オオハクチョウ、コハクチョウ)
内容:五行川(ごぎょうがわ)に架かる田島大橋北側が観察ポイント
白鳥の飛来が確認されたのは平成19年頃で、年々飛来数が増加
里山の生態系が保全されているため、白鳥が飛来し、タカ(サシバ)が生息
群馬県
2023年1月調査の環境省『第54回ガンカモ類の生息調査』(全国一斉調査)では、群馬県内では、オオハクチョウ145羽、コハクチョウ182羽が確認されています。
とくに館林市の多々良沼、城沼周辺は県内随一の白鳥観察ポイントになっています。
多々良沼|館林市・邑楽町
所在地:群馬県館林市松沼町・邑楽郡邑楽町鶉新田
最大飛来数:200羽〜300羽(オハクチョウ、コハクチョウ)
内容:利根川と渡良瀬川に挟まれたエリアにある面積75ha、周囲約7kmの広大な沼
多々良沼白鳥を守る会の手により給餌も行なわれています
城沼|館林市
所在地:群馬県館林市花山町・当郷町・つつじ町・尾曳町
最大飛来数:100羽(オハクチョウ、コハクチョウ)
内容:周囲は8kmの細長い沼で、沼名は、沼を天然の堀とする館林城があったことに由来(館林城の堀としても機能)
旧つつじが岡パークイン北側が観察ポイントで、城沼白鳥を守る会の手により給餌も行なわれています
鏑川白鳥飛来地|高崎市
所在地:群馬県高崎市木部町
最大飛来数:数十羽(コハクチョウが主体)
内容:鏑川(かぶらがわ)に架かる群馬県道30号(寺尾藤岡線)の新鏑川橋の下流側、上越新幹線の鉄橋との間にあるのが鏑川白鳥飛来地
平成19年に鏑川白鳥を守る会が結成され、清掃活動などの環境整備と白鳥保護看板設置などの自然保護が行なわれています
烏川白鳥飛来地|高崎市・玉村町
所在地:群馬県高崎市新町・佐波郡玉村町
最大飛来数:100羽(コハクチョウが主体)
内容:烏川(からすがわ)に架かる群馬県道40号(藤岡大胡線)の岩倉橋下流・玉村町側が、烏川白鳥飛来地(烏川河川敷総合レクリエーション基地公園の南、烏川の流れの部分)
埼玉県
2023年1月調査の環境省『第54回ガンカモ類の生息調査』(全国一斉調査)では、埼玉県内では、オオハクチョウ2羽、コハクチョウ73羽が確認されています。
川島町の白鳥飛来地が観察のポイントで、以前にあった荒川の飛来地(深谷市川本地区)は鳥インフルエンザの問題や生態系への影響などもあり、白鳥飛来地として管理されていない状態です。
川島町白鳥飛来地|川島町・坂戸市
所在地:埼玉県比企郡川島町八幡5-10-39地先
最大飛来数:80羽(コハクチョウ)
内容:川島町を流れる越辺川(おっぺがわ=源流は黒山三滝)の支流・飯盛川が合流点近く
千葉県
2023年1月調査の環境省『第54回ガンカモ類の生息調査』(全国一斉調査)では、千葉県内では、オオハクチョウ104羽、コハクチョウ972羽が確認され、関東地方では最大のコハクチョウ飛来地になっています(飛来数は秋田県、岩手県、富山県に匹敵)。
メインとなるのは白鳥の郷です。
千葉県では手賀沼でコブハクチョウが観察できますが、残念ながら海外から移入され、野生化した侵略的外来種です。
白鳥の郷|印西市 【関東最大の飛来数】
所在地:千葉県印西市笠神
最大飛来数:1000羽(コハクチョウが主体)
内容:印旛沼北西の田園地帯にある関東を代表する白鳥飛来地
水を張った田んぼが飛来地なので、マナーを守って見学を!
手賀沼|我孫子市
所在地:千葉県我孫子市
最大数:150羽(コブハクチョウ)
内容:南北1km、東西16kmの細長い沼で、千葉県立印旛手賀自然公園に指定(海跡湖的な要因のある堰止め湖)
手賀沼の中央付近の北岸(我孫子市)に手賀沼公園が整備され、白鳥観察のポイントに(越冬期に多く、繁殖期に少なくなる傾向にあります)
関東周辺 白鳥飛来地15選 | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag