牛久沼

牛久沼

茨城県牛久市の南西、龍ケ崎市にある茨城観光百選にも選定の沼が、牛久沼。筑波・稲敷台地と猿島・北相馬台地に囲まれ、小貝川の堆積で谷田川と西谷田川が堰き止められて誕生した自然の沼です。茨城県では霞ヶ浦、涸沼に次ぐ、三番目の大きさを誇る湖沼で、コブハクチョウが生息。

南岸の牛久沼水辺公園でコブハクチョウを観察

周囲20km、面積6.5haという大きな沼で、最大水深3m、平均水深1mという浅い沼です(下流の豊田堰の開閉で水位は変化します)。
農業用水や漁場としても使われてきましたが、近年では富士山や筑波山を眺望するレクリエーションの地としても注目されています。

かつては、沼のかなに水に浮かぶように造成された「浮田」が稲荷川や谷田川などの河口付近に点在していましたが、筑波研究学園都市の開発に伴う川や沼の浚渫(しゅんせつ)で失われています。
また、2艘の舟で「巻き網漁」が行なわれていましたが、それも今では昔語りになっています。
牛久沼漁協では、沼にヘラブナを放流し、ヘラブナ、ブラックバス、ワカサギ、ウナギ、鯉などのえさ釣りやルアー・フライフィッシングを楽しむことができます(遊魚券の購入が必要/漁業関係者以外は網を使っての捕獲、エンジンを使用した舟での航行はできません)。

南岸、国道6号近くには龍ケ崎市牛久沼水辺公園が整備され、白鳥を間近で見ることができるふれあいスペースやせせらぎ、多目的グラウンドが整備されています。
牛久沼のコブハクチョウは、昭和38年皇居から一対の番(つがい)を譲りうけ、それが繁殖したもの。
昭和49年、龍ケ崎市は、ハクチョウを「市の鳥」に指定しています。

牛久沼の東岸沿いには遊歩道が整備されていますが、その名は河童にまつわる伝説に因んで、「牛久沼かっぱの小径」。
稲荷川に架かる三日月橋・牛久市観光アヤメ園(稲荷川沿いのみ牛久市です)〜牛久城址にかけて1kmほどの散策ができます。

牛久沼の東岸や、半島として沼に突き出す泊崎大師堂あたりからなら、11月26日前後、1月18日前後(年と場所により多少前後します)にダイヤモンド富士が期待できます。
また、快晴の日ならスカイツリーも視認できます(望遠鏡などでやっとですが)。

「うな丼発祥の地」を今に伝える「龍ケ崎うなぎ街道」

江戸時代後期の文化年間(1804年~1818年)、牛久沼の渡しの掛茶屋で、大久保今助(おおくぼ いますけ/日本橋堺町、芝居小屋「中村座」の金方、商売に成功して水戸藩士に)が渡船を待つ間にうなぎの蒲焼とご飯を注文。
船が出る知らせがあったので、どんぶり飯の上に蒲焼きののった皿をポンと逆さにかぶせて乗船し、対岸に着いてから味わったところこれが「いたって風味よろし」だったとかで、牛久沼の茶屋や、江戸でうな丼、うな重として広まったという話です(明治18年刊、宮川政運『俗事百工起源』)。
うな丼は牛久沼が発祥地とされ、明治35年創業の「伊勢屋」など、南岸を走る国道6号沿いにうなぎ店が並び、「龍ケ崎うなぎ街道」と称されています。

牛久沼
名称 牛久沼/うしくぬま
所在地 茨城県龍ケ崎市佐貫町・牛久市新地町
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