スターバックスコーヒー鹿児島仙巌園店（旧島津家芹ヶ野金山鉱業事業所）

鹿児島県鹿児島市吉野町、明治37年建築で国の登録有形文化財に指定された旧島津家芹ヶ野金山鉱業事業所を再生した「スターバックス リージョナル ランドマーク ストア」。世界文化遺産にも登録されている仙巌園内にあり、地域文化を世界に発信する店舗のひとつになっています。

明治37年築、島津家の鉱山事務所を活用した店舗

11代薩摩藩主・島津斉彬（しまづなりあきら）は、嘉永4年（1851年）、殖産興業・富国強兵の政策から精錬所を設け、反射炉の雛形を建築していますが、維新後の明治元年には芹ヶ野金山を家業として取得しています。
薩摩藩時代から採掘が行なわれた芹ヶ野金山は、後の串木野鉱山の4つの鉱山（西山坑・芹ヶ野坑・荒川坑・羽島坑）のひとつで、現在は三井串木野鉱山が経営しています（国内有数の金山で、これまでの総産出金量は56tにも及びます）。

2階建て木造の洋風建築は、明治37年、旧串木野村（現・いちき串木野市）に建てられた島津家の金鉱山事務所で、明治維新後に日本の近代化に力を注いだ島津家の近代化遺産のひとつで、昭和61年に仙巌園に移築されています。
2階バルコニーの6連アーチが印象的で、和風の屋根をかけた擬洋風建築。

かつては磯珈琲館、元・城山観光ホテルの総料理長の桑原俊一が手掛ける「磯くわはら館」などとして利用されていましたが、平成29年3月29日に「スターバックス リージョナル ランドマーク ストア」がオープンしています。
九州では、門司港駅店（福岡県北九州市門司区）、福岡大濠公園店（福岡県福岡市中央区）、太宰府天満宮表参道店（福岡県太宰府市）がありますが、鹿児島県では初となるリージョナルランドマーク ストアです。

仙巌園（磯庭園）

万治元年（1658年）に島津家19代、薩摩藩第2代藩主・島津光久（しまづ みつひさ）が別邸として造園した庭園が仙巌園で、通称「磯庭園」。園内には奇岩奇石が多く、中国江西省・龍虎山の仙巌に似ていることから「仙巌園」と名付けられました。琉球王国