鹿児島県鹿屋市にある海上自衛隊のミュージアムが、鹿屋航空基地史料館。航空自衛隊で使われた飛行艇なども屋外展示されていますが、注目は、二式大型飛行艇(二式大艇)。戦前に海軍で使用され、太平洋戦争当時の飛行艇では世界一の性能を誇った飛行艇の実機が展示されているので、お見逃しなく。
現存する唯一の二式大型飛行艇
昭和17年2月5日、海軍に正式採用され(開発名称は、十三試大型飛行艇)、川西航空機(現・新明和工業)で製造された二式大型飛行艇。
二式大型飛行艇、略して二式大艇とも通称されています。
製造された167機のうち、現存する唯一の機体が、鹿屋航空基地史料館の屋外展示。
全長28.13m、全幅38m、全高9.15m、エンジン(プロペラ)は三菱火星22型で4基。
10人~13人の搭乗員を乗せ、最高速度465km/hと主力戦闘機九六式艦上戦闘機と同じスピードを有し、航続距離は7153km(B-29爆撃機と比べても、3割増の飛行距離)、滞空時間24時間超という高性能。
飛行時間が長いため、搭乗員が休憩できるように寝台を備え、トイレ、電気冷蔵庫、エアコンの設備も有していました。
陸上基地から発進して、長距離を飛行し、洋上での敵艦船を発見、魚雷などによる遠距離攻撃や、味方の艦船の救難、気象観測などに用いていました。
展示されるのは、製造通算26号機目となる機体で、川西航空機甲南工場で製造。
東港海軍航空隊、横浜海軍航空隊、詫間海軍航空隊で使われていました。
かつては「船の科学館」で展示されていましたが、閉館となったため、防衛庁に譲渡され、鹿屋航空基地史料館で展示されています。
ただし、野ざらしのため、メンテナンスはされているものの、劣化が懸念されています。
鹿屋航空基地史料館・二式大型飛行艇 | |
名称 | 鹿屋航空基地史料館・二式大型飛行艇/かのやこうくうきちしりょうかん・にしきおおがたひこうてい |
所在地 | 鹿児島県鹿屋市西原3-11-2 |
関連HP | 鹿屋航空基地史料館公式ホームページ |
電車・バスで | 鹿屋バスセンターからタクシーで5分 |
ドライブで | 垂水港から約21km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 鹿屋航空基地史料館 TEL:0994-42-0233 |
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