明治20年、塔ノ沢〜宮ノ下間に、富士屋ホテルが私費で建設した有料の人力車道の開通が前身という箱根越えの国道1号。塔ノ沢から険しい箱根山中の上りにかかりますが、函嶺洞門、旭橋、千歳橋という3つの土木学会選奨土木遺産、国の重要文化財が連続しています。函嶺洞門は昭和6年10月に完成した洞門。
函嶺洞門バイパス完成で廃道に
函嶺とは、中国の函谷関を模して箱根から東が関東ということから、函谷関の嶺の意。つまりは険しい箱根の山。鉄筋コンクリート構造6連の洞門(ロックシェード)は、来訪する欧米人を意識して、エキゾチックな中国の王宮をイメージしたデザインとなっています。
旭橋が和風、千歳橋が洋風、函嶺洞門が中華風と細部のデザインについても工夫がなされている点にも注目を。
正月の箱根駅伝では、2日の往路5区の山登り、3日の復路6区の山下りで、タイムを調べるポイントにもなっていましたが、車道幅員も5.8mと狭いこともあり、2014年2月に函嶺洞門バイパスが開通し、函嶺洞門は通行禁止になりました。湯本側から函嶺もみじ橋で早川を対岸へと渡り、函嶺さくら橋で元の国道に戻るもの。
箱根駅伝も第91回大会(2015年)から函嶺洞門バイパスを走っています。
洞門の両側、函嶺洞門バイパスの入口脇には駐車場と転回場が設けられています。これは、大雪による箱根方面の交通規制(通行止め)実施時に転回するための場所。つまりはここから先の通行が規制されるというわけです。メインの駐車場は早川の洞門から対岸側に設けられています。
函嶺洞門 | |
名称 | 函嶺洞門/かんれいどうもん |
所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町湯本 |
電車・バスで | 箱根登山鉄道塔ノ沢駅から徒歩5分 |
ドライブで | 小田原箱根道路箱根口ICから約3.7km |
駐車場 | 函嶺洞門駐車場(17台/無料) |
問い合わせ | 箱根町総合観光案内所 TEL:0460-85-5700/FAX:0460-85-5721 |
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