神奈川県横須賀市走水にある古社が走水神社(はしりみずじんじゃ)。観音崎の付け根に位置する走水は、その名の通り海岸に貴重な水の湧く場所。さらに対岸の富津岬と結ぶ、海上交通の要衝(狭義の東京湾は観音崎と富津岬を結ぶ線)で、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征途中に創建したという伝説も。
古代の東海道は走水から上総へと海を渡る
社伝によれば祭神である日本武尊は、逗子、葉山を抜け東京湾に臨む旗山崎(御所ヶ崎)に御座所を建て、軍船を仕立てる準備をします。
日本武尊が、自分の冠を村人に与え、その冠を石櫃に納めて社を建てたのが走水神社の始まりとしています。
走水から対岸の房総半島を目指した日本武尊は、暴風雨に遭遇。
『古事記』などによれば、その際、妃の弟橘媛(おとたちばなひめ)が身を投げて海を鎮め、7日後に弟橘媛の櫛が流れ着いた旗山崎(御所ヶ崎)に橘神社を建立しています。
この橘神社は、明治18年に社地が軍用地(東京湾要塞)となったため、走水神社に合祀されています。
弟橘媛が身を投げたことから、海が静まり、船が走ったのが走水(走水海)という地名の由来とも。
ちなみに、古代の東海道(古東海道)は、足柄峠を越えて相模国へ入り、小総駅(おぶさえき=現・小田原市国府津)で太平洋に出て、海沿いを鎌倉郡衙(かまくらぐんが=現在の鎌倉市役所一帯にあった郡役所)に進み、小坪坂を越えて逗子に至り、三浦半島を横断して走水から海を渡り、房総半島(上総国)へ向かいました。
横須賀市内では、衣笠の曹源寺、大津・天神坂、安房口神社、浦賀、小原台、走水という道順だったと推測されています。
名称 | 走水神社/はしりみずじんじゃ |
所在地 | 神奈川県横須賀市走水2-12-5 |
関連HP | 走水神社公式ホームページ |
電車・バスで | 京浜急行馬堀海岸駅から観音崎行きバスで走水神社下車、徒歩2分 |
ドライブで | 横浜横須賀道路馬堀海岸ICから約2km |
問い合わせ | TEL:045-844-4122 |
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