観音崎公園

神奈川県立観音崎公園

三浦半島の東端、浦賀水道に突き出した岬一帯が神奈川県立観音崎公園(横須賀市)。文化9年(1812年)には幕府の命で会津藩が観音崎台場を築き、明治13年には帝国陸軍の東京湾要塞の一部、観音崎砲台が置かれた場所。そのため豊かな自然が残されています。突端の高台には、日本最初の洋式灯台、観音埼灯台が建っています。

海岸と照葉樹林の森に敷石園路が続く

要塞となって守られた観音崎の自然は、シイやタブが茂る照葉樹林。
海岸線は、東京湾唯一の岩礁海岸となっています(観音崎の自然に関しては「観音崎自然博物館」で展示解説されています)。

観音崎バス停(P1、P2駐車場)の周辺が観音崎園地で、レストハウスやバーベキュー園地があり、もっともにぎやかなエリア。
その西側には「横須賀美術館」、三軒家園地があります。
三軒家園地には、明治29年に配置され、昭和9年に廃止された三軒家砲台跡があり、砲座、地下弾薬庫、観測所、付属室、掩蔽部、井戸・便所跡などの遺構が現存しています。

観音崎バス停(P1、P2駐車場)から海岸沿いの園路を歩き、小さな岬を回ると、観音崎の地名の由来となった観音崎洞窟、観音寺の跡地があります。
一帯の岩礁地帯が海岸園地で、浦賀水道、そして富津岬を眼前にします。

海岸沿い園路を浦賀水道を行き交う船を眺めながら歩けば、江戸時代の鳶ノ巣台場(鳶巣崎台場)建設時に掘削されたという素掘りの隧道があり、隧道を抜けると南側の展望園地へと通じています。
「観音崎自然博物館」があり、駐車場(P5)も整備されています。

各園地から高台に上がれば、北門第一砲台跡、海の見晴台、戦没船員の碑、走水展望広場などが整備されています。
園路に使われる敷石は、横浜市電の軌道用敷石だったもので、御影石(みかげいし)。

70.4haという広大な自然公園のため、出かける前に目的を定め、ドライブの場合は、車を入れる駐車場を決めておくのがおすすめです。
土日は駐車場も有料となりますが、シーズン中は観音崎バス停(P1、P2駐車場)は混雑するので避けるのが賢明です。

食事は、「横須賀美術館」内にイタリアンの名店「横須賀アクアマーレ」(観覧券無しで外来利用可能)、「観音崎自然博物館」横にブイヤベースが自慢の「レストランマテリア」が営業。
また観音崎公園近くの観音崎京急ホテルのレストラン「浜木綿」(はまゆう)も外来利用が可能です。

ちなみに、観音崎の高台にある展望タワーのような施設は、東京湾海上交通センターの観音埼レーダー施設(海上保安庁)。
浦賀水道(世界有数の海上交通路)を航行する船の大きさ、位置、針路、速力などの情報を他の船に知らせ、航路の安全を確保するための施設です。

観音崎公園
名称 観音崎公園/かんのんざきこうえん
所在地 神奈川県横須賀市鴨居4-1120
関連HP 観音崎公園公式ホームページ
電車・バスで JR横須賀駅から京浜急行バス観音崎行きで行きで35分、終点下車
ドライブで 横浜横須賀道路馬堀海岸ICから約3.5km
駐車場 観音崎公園県営駐車場(312台/1月1日〜3日、GW、7月〜8月、土・日曜、祝日は有料、その他の期間は無料)
問い合わせ 観音崎公園パークセンター TEL:046-843-8316
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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