箱根元宮

箱根元宮

神奈川県箱根町、箱根カルデラの中央火口丘・駒ヶ岳(1356m)。その山頂に鎮座するのが箱根元宮。箱根元宮とは、駒ヶ岳山麓、芦ノ湖畔にある箱根神社の元宮ということ。社殿前の馬降石(ばこうせき)、馬乗石は、神が降臨した地といわれ、箱根町の駒ヶ岳山頂遺跡にも指定されています。

神山を遥拝する霊地は、箱根神社の奥宮に

箱根園から駒ヶ岳ロープウェーで上った山上は、カヤトで、ハコネコメツツジなどの風衝低木が生育し、ちょっとした高山のような雰囲気。

天平宝字元年(757年)に箱根山を開山した万巻上人は、文殊菩薩(法躰権現)・弥勒菩薩(俗躰権現)・観世音菩薩(女躰権現)を本地仏とする箱根三所権現を祀り、山麓に箱根山東福寺・箱根権現社(現在の箱根神社、箱根山東福寺は明治初年の神仏分離、廃仏毀釈で廃寺に)を建立したのです。
元宮は、箱根の最高峰で、中央火口丘の神山を遥拝する拝殿として築かれたもの。

中世に、天台系の密教的信仰(天台密)の影響で、箱根山には多くの修験者が入峰し、関東における修験道の霊場として繁栄し(箱根権現社と東福寺は一体化していました)、平安時代末期には箱根権現別当・行実は、伊豆配流の源頼朝を援助し、鎌倉幕府設立後には、鎌倉武士の尊崇を集めたのです。

こうした修験道の地として繁栄した箱根山ですが、信仰の源は、神山への信仰で、神山を仰ぐ駒ヶ岳の山頂は、磐境(いわさか=石などで囲まれた祭祀の場)として祭祀が行なわれていました(これが駒ヶ岳山頂遺跡)。

駒ヶ岳山頂に建つ箱根元宮の現在の社殿は、昭和39年、西武グループを創業した堤康次郎(つつみやすじろう/昭和39年4月26日没)の建立。
箱根園には、昭和32年、堤康次郎が浜名湖・弁天島にあった宇治の平等院をモデルにした「浜名湖ホテル」(昭和13年開業、東海屈指の高級ホテル)を移築し、龍宮殿として開業。
昭和32年には駒ヶ岳ケーブルカー(平成17年廃止)も架けられ、箱根の観光開発、小田急との箱根山戦争が本格化した年です。

箱根神社では箱根元宮を奥宮とし、箱根神社と九頭龍神社(本宮または新宮)の2社参拝を「両社参り」、箱根元宮を加えた3社参拝を「三社参り」としています。

箱根元宮
名称 箱根元宮/はこねもとつみや
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
関連HP 箱根元宮公式ホームページ
電車・バスで 駒ヶ岳ロープウェー山頂駅から徒歩5分
ドライブで 小田原厚木道路箱根口ICから約16kmで箱根園
駐車場 箱根園駐車場(300台/有料)を利用
問い合わせ 箱根神社 TEL:0460-83-7123/FAX:0460-83-6669
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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