高知県高知市、現在、高知城下に残る唯一の武家建築を資料館として公開するのが大川筋武家屋敷資料館。土佐藩士で中級武士の旧手嶋家の武家屋敷です。幕末の安政2年(1855年)に大改築されたことを示す墨書が発見され、幕末の姿に復元されています。長屋門、築地塀、主屋、そして庭の大蘇鉄が残る貴重な遺構です。
高知城下で唯一現存する武家屋敷
慶長6年(1601年)、遠州掛川城主・山内一豊(やまうちかずとよ)に伴い、掛川(現・静岡県掛川市)から土佐に入国した手嶋吉十郎重次。
当然、手嶋家は土佐藩では上士(上士は徳川方の家臣の子孫、郷士は関ヶ原で西軍に属した長曾我部家遺臣の子孫)に入る家柄で、家禄は250石(上士の中では中くらいの中級武士の家柄)。
のちに構えた屋敷が現存する大川筋武家屋敷資料館で、中級武士の住宅として典型的な造りになっています(屋敷は、藩から貸し与えられたもので、位に応じて、場所や広さが決められました)。
書院造りの主屋と長屋門を江戸時代のままに忠実に復元されています。
内部には主人と妻、元服した息子とその妹という家族構成を想定し、家具や調度類を配置。
意匠を凝らした釘隠(くぎかくし)などの細部の金具も一見の価値があります。
また、主屋の北側にある土蔵は資料館となり、武家屋敷が建てられた当時の全体のジオラマ模型や藩政時代の貴重な資料を展示。
藩政時代の屋敷地はもっと広く、畑を作って野菜を自給していたと推測されますが、明治以降に持ち主が変わり現在の規模となっています。
なお、主家の座敷(大・小)は貸室となっていて、エコノミーな料金でお茶会などに利用することが可能。
大川筋武家屋敷資料館 | |
名称 | 大川筋武家屋敷資料館/おおかわすじぶけやしきしりょうかん |
所在地 | 高知県高知市大川筋2-2-15 |
関連HP | 高知市公式ホームページ |
電車・バスで | JR高知駅から徒歩10分 |
ドライブで | 高知自動車道高知ICから約5km |
駐車場 | 2台/無料 |
問い合わせ | 大川筋武家屋敷資料館 TEL:088-871-7565 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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