富岡城(富岡ビジターセンター)

富岡城(富岡ビジターセンター)

熊本県天草郡苓北町、天草下島の陸繋島・富岡半島にある近世の平山城が富岡城。慶長7年(1604年)、天草統治の拠点として築城された城で、『肥前甘艸富岡城図』をもとにした復元作業が行なわれ、石垣や多聞櫓が完成。本丸の多聞櫓は展示施設「富岡ビジターセンター」として、天草下島の歴史、文化、自然を紹介しています。

唐津藩、富岡藩の天草統治の根拠地

天草は、関ヶ原合戦以前、肥後国の南半分を領有した小西行長の所領でしたが(天草には30の教会があり、小西行長はイエズス会に対しては保護政策をとっていました)、関ケ原の合戦で西軍に与して、石田三成とともに斬首されています。

その後、天草は、唐津城主・寺沢広高の所領となったため、天草下島の要衝に富岡城を築き、唐津藩が城代を置いて統治したのです(天草の石高を合計4万2000石と多めに算定し、過酷な税を取り立てたため、農民に一揆の機運が高まりました)。

島原・天草一揆(過酷な税制に対する農民一揆と弾圧に対するキリシタンの反乱という両側面があります)では、城代・三宅籐兵衛が本渡に出陣し、討ち死にし、一揆軍は富岡城下に迫りますが、要害を活かして一揆軍を撤退(砂州側からしか攻略できない天然の要害です)。
天草の一揆軍は海を渡り原城に立て籠もる島原の一揆軍と合流し、悲惨な最後を迎えています。
島原の乱直後の、唐津藩の寺沢家は断絶し、寛永16年(1639年)、山崎家治が備中国成羽城(備中国成羽藩)から転封して富岡藩が設立し、大手門を造営していますが、寛永18年(1641年)に城の改修終了とともに讃岐国丸亀藩に転出となり、天草は天領になり、徳川家康・秀忠に仕えた、三河鈴木氏の鈴木重成(島原・天草一揆では原城攻撃に参加、一番乗りの武功を遂げています)が代官を務めています。
鈴木重成は、踏絵を行なうなどのキリシタン統制をする傍ら、天草の経済的復興にも尽力し、唐津藩の時代に農民が過税にあえいだことから再検地を実施し、幕府に対して年貢米の減免を建議していますが、再三の願い出にも幕府は聞き容れなかったため、承応2年(1653年)、訴状を残して江戸で抗議の自刃をしたと伝えられています(自刃説には裏付けとなる史料がなく、病死説というのが有力です)。
寛文4年(1664年)に三河田原城から戸田忠昌(とだただまさ=京都所司代、老中を務める重臣)が入城し、再び肥後富岡藩を立藩。
寛文10年(1670年)、城の必要性を疑問視し、領民の負担を軽減するため三の丸を陣屋(富岡陣屋)として残して本丸・二の丸を破却しています(「戸田の破城」として有名)。
寛文11年(1670年)、寺社奉行にもなった戸田忠昌は、「天草は永久に天領であるべき地」と主張し、以降は明治維新まで天領となっています。

富岡城の本丸は、陸繋島(りくけいとう)である富岡半島の高台にあるので非常に眺めがよく、富岡市街へと続く砂州、巴湾を形成する砂嘴、通詞島から上る日の出を眺望。
砂嘴の先端が鉤型(かぎがた)に曲がっているのは、沿岸流と地形との関係から。

往時の遺構は、大手門、百間土手などの石垣がのみですが、平成17年4月に復元整備が完成。
富岡城本丸多聞櫓は、絵図と発掘調査に基づいて再建され、富岡ビジターセンターとなっています。

二の丸西側の石垣からはすすや油の付着した石垣が発見され、天草・島原の乱の痕跡と考えられている。司馬遼太郎の『街道をゆく』でも触れられている。

名称 富岡城(富岡ビジターセンター)/とみおかじょう(とみおかびじたーせんたー)
所在地 熊本県天草郡苓北町富岡本丸
関連HP 天草宝島観光協会公式ホームページ
ドライブで 九州自動車道松橋ICから約95km
駐車場 80台/無料
問い合わせ 富岡ビジターセンター TEL:0969-35-0170/FAX:0969-35-0170
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
富岡の砂嘴(曲崎)

富岡の砂嘴(曲崎)

熊本県天草郡苓北町、天草下島の陸繋島(りくけいとう=陸繋砂州で繋がる島)・富岡半島から東の富岡湾に先端部を鉤型(かぎがた)に曲げて突き出す砂嘴(さし)が富岡の砂嘴。その形状から先端部は曲崎(まがりさき)と呼ばれています。雲仙天草国立公園にあ

 

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