八代城

八代城

元和5年(1619年)の肥後八代地震(M6.0)で球磨川の河口にあった麦島城が崩壊したため、元和8年(1622年)に熊本藩主・加藤忠広(加藤清正の子)が松江村に築いた城が八代城(やつしろじょう=松江城)。現存するのは、水堀に囲まれた本丸部分の石垣のみとなっています。続日本100名城にも選定。

一国一城令後に建てられた熊本藩の支城

八代城

本丸天守台の石垣

八代城

本丸天守台から内堀を眼下に

八代城は、城代家老・加藤正方の手によって元和8年(1622年)に完成。
慶長20年閏6月13日(1615年8月7日)に一国一城令が敷かれた後にもかかわらず、強固な支城が築かれたのは、薩摩藩・島津家に対する睨み、天草などのキリシタン弾圧政策、外国船への備えから。
堀を複雑に入り組ませ、石垣を高くした実戦的な設計もそのためと推測できます。

慶長17年3月21日(1612年4月21日)にはキリスト教禁教令が出され、幕府の直轄地に対して直轄地に対して教会の破壊と布教の禁止を命じ、さらに慶長18年2月19日(1613年1月28日)にそれを全国に広げ、2月23日には伴天連(バテレン)追放之文を発布しています。
さらに元和2年(1616年)に鎖国令を出すなど、国内のキリシタンへの弾圧が始まる中での八代城建築だったことがわかります。

本丸に聳えた大天守、小天守の石垣と内堀が現存

八代城

本丸北口を守備した唐人櫓の跡

八代城

唐人櫓の石垣

寛永9年(1632年)6月、外郭が未完成のまま加藤忠広が出羽国丸岡へと改易になり、た細川忠利が肥後熊本藩54万石に転封されると、忠利の父・細川忠興(三斎)が幕府の命を受けて八代城に入城。
2代藩主・細川光尚は、筆頭家老・松井興長を城主にし、明治維新まで松井氏が城主を務めています。

創建当初、本丸には4層5階の大天守と2層3階の小天守、7棟の櫓などが聳えていました。
寛文12年(1672年)の落雷で、天守、櫓などが焼失。
その後、天守などは再建されていません。

城郭全体の石垣には八代・白島産の石灰岩が用いられ、その色から別名白鷺城とも呼ばれています。
総構えを誇った八代城ですが、昭和10年頃の区画整理と二の丸・三の丸・出丸の石垣は取り壊され、外堀も埋め立てられ、市街化が進みました。
現在、城跡は石垣などで往時を偲ぶことができるのみで、本丸東側(市役所側)にかかる欄干橋に、築城時の「元和八年」が刻まれた擬宝珠が残されるのみとなっています。

大書院跡には八代宮(やつしろぐう)が建っていますが、これは明治維新後の明治17年に創建されたもの。
南北朝時代に、九州における南朝方の全盛期を築いた懐良親王(かねよししんのう)を祀った神社で、明治時代の南朝を崇める風潮を色濃く反映して創建されたもの。

加藤忠正(加藤忠広の兄)菩提寺・本成寺(八代市本町1丁目)には、本丸の高麗門が移築され、松井氏の菩提寺・春光寺(八代市古麓町)には三の丸の永御蔵御門が移築され、現存。
北の丸町にある松浜軒(しょうひんけん)は、松井家の邸宅と庭園で国の名勝。

「八代市立博物館 未来の森ミュージアム」に八代城城郭模型などが展示されているので、あわせて見学を。

なお、南北朝時代の古麓城、安土桃山時代の麦島城の3つの城跡をあわせて八代城跡群(やつしろしろあとぐん)として国の史跡になっています。

本丸は八代宮の境内になっています

八代宮

拝殿の背後に天守台が

正保城絵図に見る 八代城

正保元年(1644年)に幕府が諸藩に命じて作成させた城と城下町の地図が『正保城絵図』。
城郭内の建造物、石垣の高さ、堀の幅や水深などの軍事情報などが精密に描かれていますが、八代城でも4層5階の大天守と2層3階の小天守さらには隅櫓などが描かれています。

八代城
西山宗因と八代城
江戸時代前期の俳人・連歌師の西山宗因(にしやまそういん)の父は、加藤清正の家臣・西山次郎左衛門。
八代城下の生まれで、八代城代・加藤正方に仕えています。
加藤正方の影響で連歌を知り京に遊学し、本格的に連歌を学びますが、加藤家の改易にともなって浪人となり、正保4年(1647年)、大坂天満宮連歌所の宗匠として多くの門人を抱えています。
八代城跡北側の廊下橋門たもとに「雪見よと兼ては植えし浦の松」の句碑が立っています。

西山宗因

八代城 DATA

名称 八代城/やつしろじょう
所在地 熊本県八代市松江城町15-1
関連HP 八代市公式ホームページ
電車・バスで JR八代駅から八代港行き九州産交バスで10分、八代宮前下車すぐ
ドライブで 九州自動車道八代ICから約6km
駐車場 20台/有料
問い合わせ 八代市観光振興課TEL:0965-33-4115/FAX:0965-33-4516
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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