佐敷城

佐敷城

熊本県葦北郡芦北町にある加藤清正が築城した山城が佐敷城(さしきじょう=佐敷花岡城)。南北に通る薩摩街道と相良藩の生命線ともいえる人吉街道(山越えをして大坂間に至る相良往還)が交わる要衝に位置し、戦国時代末期には島津氏との攻防の地となった場所です。国の史跡。

薩摩・肥後国境防衛を担って加藤清正が築いた山城

佐敷城

天正15年(1587年)、豊臣秀吉の九州征伐で、島津氏は肥後からの後退を余儀なくされ、代わって九州征伐で功を挙げ肥後の領主となったのが佐々成政(さっさなりまさ=富山城主時代に厳冬の北アルプス越えで知られる武将)。
しかし検地を急いだ佐々成政に対し、領知権(領主が家臣に与えた土地の支配権)の侵害として隈府城(菊池城)に籠城した隈部親永(くまべちかなが)を中心とする肥後国人一揆(ひごこくじんいっき)が勃発。
天正16年(1588年)、肥後国人一揆の責任から佐々成政は切腹を命じられ、代わって加藤清正が肥後北半国19万5000石を領有し、隈本城(後の熊本城)に入城、佐敷城一帯は加藤清正の飛び領地となっています。

築城の名手・加藤清正は、佐敷城を対・島津氏の防衛拠点として重視し、石垣を巡らした近世的な佐敷城を築き、家老職の加藤重次(かとうしげつぐ)が城代として城を守りました。

文禄元年(1592年)、秀吉の朝鮮出兵・文禄の役に際し、加藤重次も従軍したことからその間隙(かんげき)を突いて島津軍・梅北国兼(うめきたくにかね)が佐敷城を攻略。
さらに八代(やつしろ)の麦島城を攻撃しましたが加藤軍に鎮圧され、梅北国兼の首は朝鮮出兵の基地となった名護屋城(現・佐賀県唐津市)に届けられて浜辺に晒されたと伝えられています。

こうした反省から文禄の役後、加藤清正は、佐敷城の防衛機能をさらに高め、慶長5年(1600年)の関ヶ原合戦では、佐敷城は西軍・島津忠長(しまづただなが=島津家老中)の軍に囲まれますが、1ヶ月にもわたる籠城戦を守りきり、九州の東軍勝利に貢献したのです。

徳川幕府が開かれて以降も対島津の有力支城としてとして整備が進みましたが、元和元年(1615年)の一国一城令で廃城に。
さらに寛永15年(1638年)には、加藤忠広(かとうただひろ=加藤清正の三男で2代熊本藩主)改易後に肥後藩主となった細川忠利(ほそかわただとし)が、前領主加藤氏の破城が不十分だったことから、改めて石垣を撤去しています。
直前に島原・天草一揆(島原の乱)が勃発し、一揆軍が廃城になっていた原城に籠城したことから、一国一城令による九州の廃城は、徹底的に破却されたのです。

国の史跡となった佐敷城は、佐敷城跡城山公園として整備

佐敷城
佐敷城縄張図

山頂(標高88m)の本丸を中心に、その南に派生する尾根を利用し階段状に二の丸、三の丸を配し、さらに尾根沿いに出丸郭を設け、山城ながら本丸、二の丸、三の丸は総石垣造りとし、大手側(東側)に高石垣を築造して防衛機能を高めるという近世的な性格を帯びています。

城下町と薩摩街道が走る城山東側が大手(追手=正面玄関)で、枡形虎口を備えた城門が3つ連続。

昭和54年に石垣の一部が発見され、平成5年〜平成13年に発掘調査を実施。
「天下泰平国土安穏」銘の鬼瓦(東側追手門跡から発掘)、桐紋入りの鬼瓦(佐敷城が豊臣秀吉の重要な要塞であることが判明)、Ⅲ期石垣に伴う「慶長十二年丁未」銘の軒平瓦などが発掘され、熊本県の重要文化財に指定されています。
こうした発掘調査から、「近世初頭頃の政治・軍事を理解するうえで重要な遺跡」(文化庁)であることが判明し、国の史跡に。
現在では石垣の復元を中心として佐敷城跡城山公園として整備され、朝霧に包まれれば、佐敷城も「天空の城」に。


『肥後国絵図』(慶長国絵図)に三層の天守が描かれていますが、天守の礎石は破却されたためなのか見つかっていません。

佐敷城
名称 佐敷城/さしきじょう
所在地 熊本県葦北郡芦北町佐敷190-4
関連HP 芦北町観光協会公式ホームページ
電車・バスで 肥後おれんじ鉄道佐敷駅から徒歩20分
ドライブで 日奈久芦北道路芦北ICから約1km
駐車場 15台/無料
問い合わせ 芦北町田浦基幹支所生涯学習課 TEL:0966-87-1171
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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