大野窟古墳

大野窟古墳

熊本県八代郡氷川町(ひかわちょう)にある墳丘長122.8mという熊本県最大の前方後円墳が、大野窟古墳(おおのいわやこふん)。国内最大の天井高という巨石(阿蘇溶結凝灰岩の切石)が使われる横穴式石室があることが、窟(いわや)と呼ばれるゆえん。国の史跡に指定されています。

八代海や有明海を支配した火の君の首長墓(火の国の王墓)!?

大野窟古墳
後円部墳丘には、迫観音堂(さここんのんどう)が

大野原台地(標高50m〜60mの舌状台地)に築造された大型の前方後円墳で、6世紀中葉〜後半(古墳時代後期)の築造。
当初は、墳長39m、高さ11.5mの円墳だと考えられていましたが、平成15年度〜平成20年度の発掘調査の結果、墳丘長123mの前方後円墳であることが判明しました。

古墳時代後期に築造された古墳としては、岩戸山古墳(福岡県八女市、138m)に次いで、九州第2の大きさを誇っており、権力を有した首長の墓であることがわかります。
前方部を南方に向け、墳丘は2段構成で、周濠が巡らされています。

埋葬施設の横穴式石室は、全長12.4m、天井高は6.5mもあり、天井高は日本一(天井高2位は、和歌山市の天王塚古墳で5.9m)。
横穴式石室の全長は、奈良県橿原市の丸山古墳が最大で28.4mもあります。

玄室奥には凝灰岩製の刳抜式石棺が配され、その上部には幅1.9mの石棚が、玄室奥壁よりせり出すように設置されています。
石室の一部には赤色顔料(ベンガラ)を塗った跡が残されています。
明応6年(1497年)、石室内に阿弥陀如来が祀られたことが、壁面に刻字から読み取れます。

後円部墳丘には、迫観音堂(さここんのんどう)が建っていて、アクセスの目印になっています。

被葬者は、肥後地方を拠点にした古代豪族の火の君(ひのきみ=肥君)一族とも推測できますが定かでありません。
火の君は古墳時代に、火の国(現在の熊本県、長崎県、佐賀県の一部)を支配したという豪族です。
大野窟古墳が築かれた6世紀には八代を本拠に、八代海や有明海など海を通じてヤマト王権や各地の首長とつながっていました。

大野窟古墳
大野窟古墳
名称 大野窟古墳/おおのいわやこふん
所在地 熊本県八代郡氷川町大野芝原 ・崩迫
関連HP 氷川町公式ホームページ
ドライブで 九州自動車道宇城氷川スマートICから約2km
問い合わせ 氷川町教育委員会生涯学習課 TEL:0965-52-5860/FAX:0965-52-7060
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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