京都府京都市左京区岩倉幡枝町にある臨済宗妙心寺派の寺、圓通寺(円通寺)。もともとは後水尾上皇の幡枝離宮があった場所。注目は比叡山を借景とする枯山水庭園。後水尾天皇が寛永6年(1629年)の退位後、洛北に12年もの間、隠居所を探し、ようやくこの地を選んで離宮を造営したのは比叡山の眺めが格別だったから。
比叡山を借景にする京を代表する借景庭園
現在、圓通寺が建つ岩倉一帯では水の流れを庭園に取り入れられないため、大池泉庭を造ることができず、後水尾上皇は、承応2年(1653年)比叡山の麓に修学院離宮(しゅがくいんりきゅう)を造営。
修学院離宮造営後の1678年(延宝6年)、幡枝離宮(はたえりきゅう)の跡に、御殿と庭園を下賜された霊元天皇(後水尾上皇の子)の乳母・円光院文英尼(えんこういんぶんえいに)が、妙心寺第10世・景川宗隆(けいせんそうりゅう)を勧請し創建したのが圓通寺(後水尾上皇は圓通寺創建の2年後に没しています)。
本堂と庭は幡枝離宮時代の「下御茶屋」にあたり、本堂には霊元天皇の念持仏と伝わる聖観世音菩薩が本尊として安置。
苔に覆われた枯山水は、400坪の平坦な地形に一面の杉苔が生え、40数個の石とツツジの刈り込みを配した見事な庭園。
真東を向いているのは、当然、比叡山をベストな状態で借景とするため。
幡枝離宮時代に、後水尾上皇は春のツツジ、秋の名月、そして紅葉をこよなく愛したのです。
圓通寺 | |
名称 | 圓通寺/えんつうじ |
所在地 | 京都府京都市左京区岩倉幡枝町389 |
電車・バスで | 叡山電鉄鞍馬線京都精華大駅から徒歩25分 |
ドライブで | 名神高速道路京都東ICから約13km |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 圓通寺 TEL:075-781-1875 |
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