京都府京都市左京区にある浄土宗の大本山が、百萬遍知恩寺。浄土宗七大本山のひとつで浄土宗を開いた法然(ほうねん)の弟子、勢観房源智(せいかんぼうげんち)が住持した浄土専修念仏道場が起こり。8世・世善阿空円が百萬遍念仏を7日間修行して疫病を封じ込め、百萬遍知恩寺、略して「百山」(ひゃくさん)と通称されています。
御影堂の周囲に美しい堂宇が建ち並ぶ
知恩寺8世・善阿空円(ぜんあくうえん)は、元弘元年(1331年)の疫病流行時(後醍醐天皇が鎌倉幕府を打倒する元弘の乱を起こした年)、勅令により宮中で百萬遍念仏を7日間修行して疫病を封じ込め、後醍醐天皇から「百萬遍」の号を賜っています。
往時には、今出川北小路賀茂河原(かもがわら=現在の相国寺の地)に建ち、賀茂別雷神社(上賀茂神社)の神宮寺だった寺です。
永徳2年(1382年)、足利義満(あしかがよしみつ)が相国寺を建立するため、一条通油小路(あぶらこうじ)に移転していますが、その後たびたび戦火を受け、寛文2年(1662年)現寺地に移っています。
本堂に掛けられている大数珠は全周100m、重量320kg、珠の数1080個の世界最大の数珠で毎月15日に行なわれる『百萬遍大数珠繰』(ひゃくまんべんだいじゅずくり)に使われています。
『百萬遍大数珠繰』は、巨大な数珠を参拝者で持ち、念仏を唱えながら回すというもの。
この日は人出も多いのですが、普段は静寂で観光的には穴場の寺のひとつ。
『百萬遍大数珠繰』の毎月15日には、境内では『百万遍さんの手づくり市』も開催。
昭和61年4月15日に「素人さんが創った手づくりの作品を発表する場」として始まったユニークなフリーマーケットで、現在でも手づくりの品だけに限定して、50店舗が出店。
毎回出店者が抽選で決まるという人気ぶりですが当然、買う側の人気も高く、京都名物のフリーマーケットのひとつ。
百萬遍知恩寺の重要文化財群9棟
御影堂(みえいどう)=宝暦6年(1756年)再建
釈迦堂=寛文4年(1664年)再建
阿弥陀堂=天保3年(1832年)再建
御廟=享保16年(1731年)建立/法然上人と源智上人の墓を祀り、廟門、石橋、十三重石塔、十一重石塔、無縫塔2基が国の重文
勢至堂(せいしどう)=寛文14年(1731年)再建
加茂明神鎮守堂=寛文2年(1662年)再建/賀茂別雷神社(上賀茂神社)の神宮寺だった時代の名残りで、賀茂明神の本地仏である、虚空蔵菩薩、如意輪観音、荼枳尼天を祀る
鐘楼堂=元禄16年(1703年)再建
西門=正徳元年(1711年)再建/往時の正門で楼門形式
惣門=寛文2年(1662年)再建
百萬遍知恩寺 | |
名称 | 百萬遍知恩寺/ひゃくまんべんちおんじ |
所在地 | 京都府京都市左京区田中門前町103 |
関連HP | 百萬遍知恩寺公式ホームページ |
電車・バスで | 京阪鴨東線出町柳駅から徒歩10分 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約9km |
駐車場 | 20台/有料 |
問い合わせ | 百萬遍知恩寺 TEL:075-781-9171/FAX:075-781-0157 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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