京都府京都市中京区、京都府立医科大学附属病院東側で鴨川から取水され、鴨川右岸河川敷を南に流れて、五条手前で再び鴨川に戻される人工の水路が、みそそぎ川。高瀬川への導水のほか、導水が終わった川は鴨川と並走して流れ、名物の川床(かわゆか)は、実はこのみそそぎ川の上に架けられています。
みそそぎ川の開削で、現在の川床(納涼床)が誕生
第2代京都市長・西郷菊次郎が推進した明治末期の京都市三大事業(道路拡築および京都市電敷設の一環)で鴨川にかけられた三橋(丸太町橋、四条大橋、七条大橋)が大正2年に完成しますが、架橋に伴い、中洲の除去や護岸の整備が行なわれ、夏の風物詩である川床の確保のため、鴨川右岸(西側)を流れるみそそぎ川の原形も大正6年頃に築かれています(中洲が消滅するまでは中洲などに納涼床が設置されていました)。
先斗町など地元の人々が「夏の納涼床河岸に清水を通ずるなど設備されたし」との要請に応えた水路ですが、当時はみそそぎ川という名称は付けられていません。
昭和10年の鴨川大洪水を契機に、それまで二条橋にあった高瀬川の取水口が上流の一条河原・賀茂大橋下流側に移され、現在の流路のみそそぎ川が完成、川名も命名されていますが、取水口側は、鴨川公園の園路の下を暗渠(あんきょ)となって流れています。
平成6年に護岸の改修が行なわれ、現在の姿が誕生しました。
二条大橋北側、初めて暗渠から姿を表し、「ザ・リッツ・カールトン京都」横を流れるみそそぎ川では、例年5月下旬〜上旬頃にゲンジボタルが飛び交っています。
平成6年、周辺住民と京都府がホタルが鑑賞できるようにとホタルの住みやすい環境を整えたもので、鑑賞は20:00頃からが最適。
出現しやすいのは、風が穏やかで曇った夜とのこと。
みそそぎ川は、二条大橋を過ぎると階段状の急流となって、川床部分へと流れ落ちています。
五条までは川床の下を流れ、五条で再び鴨川に戻っています。
みそそぎ川という河川名についての由来は定かでありませんが、もともと鴨川が禊(みそぎ)の場だったことから、禊の川ということで付けられたのではと推測されています(京都府河川課編集発行『わたしたちの鴨川』)。
いずれにしろ、このみそそぎ川が川床の下を流れているので、川床(納涼床)は「天然のクーラー効果」で夏の夜も涼しいのです(それでも日中はさすがに暑いので、ランチタイムに川床が営業するのは例年5月・9月のみです)。
みそそぎ川 | |
名称 | みそそぎ川/みそそぎがわ |
所在地 | 京都府京都市中京区 |
電車・バスで | 京阪電鉄三条駅から徒歩5分 |
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