京都鉄道博物館・キハ81形3号車

京都鉄道博物館・キハ81形3号車

京都府京都市下京区観喜寺町、JR西日本が運営する京都鉄道博物館、その本館1階「昭和乃駅」のホームに停車しているのひとつが、キハ81形3号車。昭和35年、特急「はつかり」用として製造された特急用気動車キハ81(26両)にうち、静態保存される貴重な1両になっています。

日本初の特急用ディーゼルカーを静態保存

京都鉄道博物館・キハ81形3号車

上野~青森間の特急「はつかり」の無煙化を目的として開発された、日本初の特急用気動車が、キハ81(キハ81形とキハ82形を合わせてキハ80形列と称されます)。
「はつかり形」とも呼ばれる当時流行のボンネット型スタイル(151系特急形電車、湘南形も同様です)で、昭和33年に登場した151系特急形電車(東海道線のビジネス特急「こだま」で活躍、京都鉄道博物館では前頭部のみ保存)の成功を受けて開発された非電化幹線における特急形ディーゼルカーです。
車両は、国内の車両製造メーカー9社が担当して計26両が作成され、京都鉄道博物館に保存されるキハ81形3号車は、昭和35年に近畿車輛で製造されたもの。

クリーム4号の地に窓周辺が赤2号のツートンカラーの「国鉄特急色」という懐かしいカラーリング。
当時の鉄道ファンが「ブルドッグ」なとと呼んだのもその独特のかたちから。

座席は2人掛けの回転クロスシートで、1等車(現・グリーン車)にはリクライニング、フットレスト、肘掛け収納式の折りたたみテーブルが備わっていました。
先頭のボンネット部分には、サービス電源用の発電機が搭載され、冷暖房、食堂車の電熱器などに使用されました。

キハ81形3号車は、当初は東北本線の特急「はつかり」で使われ、東北本線全線の電化によって、昭和43年、583系電車に置き換えられたため、紀勢本線の特急「くろしお」などで活躍、昭和55年〜平成26年4月までは交通科学博物館(大阪市港区)で保存展示されていた車両で、「キハ81 3」として準鉄道記念物に指定されています。
「くろしお KUROSHIO」の表示があり、名古屋・関西方面の人には懐かしい車両のひとつです。

ボンネット形の先頭形状のキハ81形を保存・展示するのは京都のみとなっています。

京都鉄道博物館・キハ81形3号車
名称 京都鉄道博物館・キハ81形3号車/きょうとてつどうはくぶつかん・きは81がた3ごうしゃ
所在地 京都府京都市下京区観喜寺町
関連HP 京都鉄道博物館公式ホームページ
電車・バスで JR梅小路京都西駅からすぐ。または、JR京都駅から徒歩20分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 京都鉄道博物館 TEL:0570-080-462
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
旧二条駅舎(京都鉄道博物館)

旧二条駅舎(京都鉄道博物館)

京都府京都市下京区にある京都鉄道博物館に併設されるのが、旧二条駅舎。二条駅は、明治30年、京都鉄道の二条駅〜嵯峨駅(現・嵯峨嵐山駅)間開通に伴って開業した駅で、現存する建物は、明治37年6月に完成した京都鉄道本社屋を兼ねた初代の駅舎です(京

梅小路機関車庫(京都鉄道博物館)

梅小路機関車庫(京都鉄道博物館)

京都府京都市下京区にある京都鉄道博物館に併設されるのが、梅小路機関車庫。大正3年11月10日築の鉄筋コンクリート造りの扇形車庫(せんけいしゃこ)、転車台、そして20線の引込線は国の重要文化財、土木学会選奨土木遺産になっています。現存する日本

京都鉄道博物館

京都鉄道博物館

京都府京都市下京区、梅小路機関区の扇形庫を活用して開設された日本初の鉄道動態保存施設・梅小路蒸気機関車館を前身とする鉄道博物館が、京都鉄道博物館。大正3年築、旧梅小路機関区の扇形庫(せんけいこ)は、引き込み線などとともに国の重要文化財に指定

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ