19世紀ホール

19世紀ホール

京都府京都市右京区、JR嵯峨野線・嵯峨嵐山駅、嵯峨野観光鉄道・トロッコ嵯峨駅に隣接する鉄道博物館が、19世紀ホール。JR西日本グループの嵯峨野観光鉄道が運営、産業革命以降の19世紀を支えた蒸気機関車を、ピアノや大型オルガンとともに展示する異色のミュージアムとなっています。

D51、C58、C56蒸気機関車を静態保存

「デゴイチ」の愛称で親しまれたD51は、D51 603で、残念ながら前頭部とその動輪2個のみの静態保存です(戦時下の昭和16年2月23日、日立製作所笠戸工場で製造)。

当初は関西で、晩年は北海道で活躍したD51ですが、追分機関区所属で「さよなら列車」を牽引して現役を退き、追分機関区に留置中の昭和51年4月13日、機関車車庫の火災に遭遇して前頭部を残して焼失してしまった機関車という特異な歴史を有しています。
こうして保存されているのは、国鉄で最後の工場検修を受けた蒸気機関車のため。

「シゴハチ」の愛称で親しまれたC58は、ローカル線用の蒸気機関車で、国鉄の蒸気機関車としては、初めて密閉型の運転室が採用されています。
「つばめ」のヘッドマークを付けたC58 48は、川崎車輌兵庫で昭和13年12月21日に製造、広島局に新製配置され、その後、九州で活躍し、晩年は釧路で余生を送った蒸気機関車です(実際に「つばめ」を牽引したことはありません)。
そのため、北海道式の切り詰めた集煙板が付けられています。
京都府ではC58 1が京都鉄道博物館に、C58 56が福知山鉄道館ポッポランド2号館に保存されています。

「ポニー」の愛称があるC56は、C56 98。
日本車輌名古屋工場で昭和12年3月22日製造、北海道や山陰で活躍しました。
「はと」のヘッドマークを付けていますが、もちろん「はと」を牽引したことはありません(戦後に登場した花形特急で当時の日本最速の特急「つばめ」、「はと」は、非電化時代にはC62が牽引していました/「つばめ」を牽引したC62は供与・梅小路蒸気機関車館に保存)。

展示される「ベーゼンドルファー・290インペリアルモデル」(Bösendorfer Model 290 Imperial)は、鍵盤数が普通のピアノより最低音部で9鍵多い97鍵盤(8オクターブ)で、人間が音として聴きとれる可聴音域の限界の低音までも生み出すことができる世界一のグランドピアノ。
オスカー・ピーターソンなど音楽家たちが愛用するピアノで、ドイツの名門ハプスブルク家の紋章が記されています。

喫茶「SL ROMAN CAFE」(エスエル ロマン カフェ)も営業(トロッコ列車の時間待ちにも利用できます)。
トロッコ列車の運休日には19世紀ホールも休館となるのでご注意を。

19世紀ホール
名称 19世紀ホール/じゅうきゅうせいきほーる
所在地 京都市右京区嵯峨天竜寺車道町
関連HP 嵯峨野観光鉄道公式ホームページ
電車・バスで JR嵯峨嵐山駅からすぐ
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 嵯峨野観光鉄道テレフォンサービス TEL:075-861-7444(自動音声案内)
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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