京都府京都市右京区、愛宕大権現が鎮座し、火防(ひぶせ)で名高い愛宕山の山麓にある滝が、空也滝(くうやたき)。清滝川支流・堂承川の大杉谷落ちる落差15m、丹波層群下部のチャートに懸かかる直瀑。平安時代(10世紀)に、嵐山に居住した空也が霊場として開き、修行したとの伝承があるのが名の由来です。
空也上人が平安時代に開いたと伝わる霊場
愛宕山山頂の愛宕神社は、大宝年間(701〜704年)に修験道の祖である役行者と白山を開いた泰澄が朝廷の許しを得て朝日峰(愛宕山)の頂に社殿を建立したのが始まり。
その後、和気清麻呂が白雲寺を建立し、愛宕大権現として鎮護国家の道場としたと伝えられています。
一帯はまさに霊域で、空也上人もその山麓を修行の地に選んだのだと推測できます。
滝周辺には、十一面観音菩薩像や行者像、不動明王像、赤い鳥居、社殿などもあり神仏習合時代の修験の歴史を今に伝えています。
愛宕山は、愛宕太郎坊と云う大天狗に率いられた天狗たちの住処(すみか)とされましたが、実は、愛宕山で修行する修験者たちが天狗と伝わったわけで、愛宕山は天狗伝説の発祥の地ともなっています。
空也滝は、修験道の霊場として今も滝に打たれる人、そして参拝客が絶えません。
上流にはひぐらしの滝がありますが、道が途絶し、近づくことができません。
空也滝へは、清滝集落を起点に、渡猿橋を渡り、東海自然歩道・丹波散策の道を高雄・月輪寺方面へと進みます(林道状の道なので、軽ハイキング的な装備で到達できます)。
夏は避暑的な散策に絶好。
京都市と亀岡市との境にある愛宕山、京都市最北端に位置する三国岳などの丹波高地(褶曲によって生じた山地が準平原化された、再度隆起して川によって侵食された隆起準平原)は、丹波層群が侵食から取り残された残丘。
京都盆地から望む山々の中で最高峰が愛宕山で、神聖視されてきた理由の一つに、「平安京から望む最高峰」だということもあると思われます。
空也滝 | |
名称 | 空也滝/くうやたき |
所在地 | 京都市右京区嵯峨愛宕町 |
電車・バスで | JR京都駅から京都バス清滝行きで51分、清滝下車、徒歩55分 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約15kmでさくらや青木駐車場 |
駐車場 | さくらや青木駐車場(100台/有料)、駐車場から徒歩50分 |
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