日本ループ橋総覧(2)奥出雲おろちループ橋

奥出雲おろちループ橋

日本列島には高度差をループ橋で克服する場所が、全国至るところにあります。2回目は日本一の大ループ橋の奥出雲おろちループ橋です。「二重にとぐろを巻く姿がまるでヤマタノオロチ(八岐大蛇)のよう」というのが名の由来で、出雲神話の故郷らしい巨大ループが印象的です。

日本一の大ループ橋は奥出雲に!

奥出雲おろちループ橋

島根県仁多郡奥出雲町を走る国道314号・三井野原道路(みいのはらどうろ)の一部が奥出雲おろちループ橋。

二重ループ区間は、標高の低いほうから順に坂根トンネル、新紅葉橋、冷泉橋、雲龍橋、平家トンネル、雲上橋、新三国橋、新平家橋及び三井野大橋の7つの橋と2つのトンネルで構成されて、全長2360m、区間標高差105mを誇る日本一の大ループ橋になっています。
1重目が最小半径100m、2重目は200mの二重ループ。
新平家橋と三井野大橋の間の内側ループ側に「道の駅奥出雲おろちループ」が設けられていて、ドライブ途中の休憩スポットとしても絶好です。

「日本にいくつかある著名なループ橋の中でも、完全な二重円を描いているのは、ここ『奥出雲おろちループ』だけなんです」
とは、島根県観光連盟の解説。

「一帯は『もののけ姫』にも登場するたたら製鉄で栄えた地。ループ橋は出雲神話の『ヤマタノオロチ』(八岐大蛇)をイメージした造りになっている」
とのこと。

橋の入口のトンネルにはオロチの目が光り、とぐろに当たる二重ループの側面には、オロチが巻き起こす「火」や「風」といった自然現象をデザインといった凝りよう。
途中に平家平展望台など展望台が3ヶ所ありますが、その展望台にも「天に舞い上がるオロチ」などゆかりのオブジェが設置されています。

ループの最上部には「道の駅奥出雲おろちループ」もあり中国自動車道東城ICからのアクセスの良さ(国道314号経由で20分)と、ループ橋の絶景で、観光ルートとしても大注目の存在になっています。

ライトアップされた奥出雲おろちループ
ライトアップされた奥出雲おろちループ
道の駅奥出雲おろちループ
道の駅奥出雲おろちループ
日本ループ橋総覧(2)奥出雲おろちループ橋
所在地 島根県仁多郡奥出雲町八川
場所 奥出雲おろちループ橋
ドライブで 中国自動車道東城ICから約38km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

日本ループ橋総覧(1)河津七滝ループ橋

「ループ橋フリーク」がいるほど、注目を集める存在がループ橋。英語ではspiral bridge、loop bridge、pigtail bridgeが正しい表現ですが、ここでは日本国内一般的な呼称であるループを使います。ループ橋総覧の筆頭は

音戸大橋

日本ループ橋総覧(3)音戸大橋

日本各地のループ橋を訪ねる日本ループ橋総覧。3回目となる今回は、広島県呉市の音戸の瀬戸に架橋された音戸の瀬戸です。昭和36年架橋の音戸大橋は、架橋当時は有料道路でしたが、昭和49年に無料化。歩道がない、通行量の増加などで平成25年に第二音戸

日本ループ橋総覧(4)雷電廿六木橋

ループ橋は、地形的な要因で生じた高度差を、道路をループさせること克服する橋で、全国各地にあります。埼玉県秩父市、滝沢ダムの建設で水没する秩父往還の架け替え道として造られたのが雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)。ダム湖の湖畔へと続く高度差を

えびのループ橋(霧の大橋)

日本ループ橋総覧(5)えびのループ橋(霧の大橋)

ループ橋は、高度差をらせん状の道で克服する有効な手段です。九州では巨大カルデラによる高度差をループ橋で克服する場所があります。カルデラ(caldera)とは火山の爆発で生じた凹部のこと。スペイン語で鍋とか釜の意。鍋の縁(へり)の部分の高度差

人吉ループ橋&大畑ループ

日本ループ橋総覧(6)人吉ループ橋&大畑ループ

中九州と南九州を結ぶ幹線国道の国道221号(肥後街道・飫肥街道)。明治10年2月15日、西郷隆盛が交通の難所といわれた雪の加久藤峠(かくとうとうげ)を越え、熊本城の攻略に向かっています。加久藤峠は、加久藤カルデラ外輪山の一部。宮崎県えびの市

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ