三重県桑名市伝馬町にある浄土宗の古刹が十念寺。天平宝字元年(757年)、行基が創建したと伝わる古刹。当初は八風街道の通る菰野(切畑の天台宗朝明寺、後に田光の浄土宗九品寺)にありましが、その後田光が衰微したため八風街道の起点桑名へ移り、慶長6年(1601年)、慶長の町割りで現在地に落ち着いています。
行基が創建したと伝わる古刹
徳川四天王のひとり、本多忠勝(ほんだただかつ)は、慶長6年(1601年)、桑名藩主となると、藩政を確立するため、桑名城を海に向かって開いた城に改造し、員弁川(町屋川)・大山田川(おおやまだがわ)の流れを変えて外堀とし、さらに城下町の大改造を行なっています。
その大改造は、町中の家や蔵を壊し、作り直すという徹底ぶりで、家を追われた人々は春日神社の境内に仮小屋を建てて暮らすほどでした。
十念寺周辺は光徳寺、寿量寺、法盛寺、光明寺、教宗寺、法恩寺、長圓寺、最勝寺などが並ぶ寺町で、慶長の町割りの際に集められた寺院群です。
十念寺の本尊は阿弥陀如来ですが境内に七福神(桑名七福神)を祀る「七福神の寺」として有名。
11月23日に行なわれる『七福神まつり』は、七福神一行の市内練りや、境内で行なわれる福もち投げには幸運をつかもうと多くの人出で賑わいます。
七福神信仰の隆盛を背景に、明治初年まで『七福神まつり』は盛大に行なわれていましたが、その後『地蔵盆』が盛んとなり、戦後は中断、昭和43年に復活したもの。
境内には新選組隊士・森常吉(もりつねきち)の墓もあります。
森常吉は、戊辰戦争の際、幕府軍として徹底抗戦を主張した藩主・松平定敬(まつだいらさだあき)を護衛して仙台から榎本武揚の艦隊で蝦夷地(北海道)・箱館(函館)へ渡り新選組に入隊し、箱館戦争に参戦。
敗北後、桑名藩(国元の家老などは恭順を決めましたが、藩主・松平定敬は徹底抗戦を主張)は逆賊との追求を受け、明治2年の釈放後、責任を負って自害しています(松平定敬は、明治5年に赦免され、明治27年には日光東照宮宮司に)。
十念寺 | |
名称 | 十念寺/じゅうねんじ |
所在地 | 三重県桑名市伝馬町53 |
関連HP | 十念寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR・近鉄桑名駅から市内循環バスで萱町下車、徒歩2分 |
ドライブで | 東名阪自動車道桑名ICから約5km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 十念寺 TEL:0594-23-3388 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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