鉄道ファンから「ムーミン」と呼ばれる電気機関車があるのをご存知だろうか。それが埼玉県さいたま市の鉄道博物館に静態保存される国鉄EF55形電気機関車。鉄道博物館に保存されるのはEF55 1で、昭和11年の製造。当時は流線型がブームだったため、先頭が流線形で、たしかにムーミンに似た姿です。
東海道本線の特急「つばめ」、特急「富士」を牽引
![EF55](https://i0.wp.com/tabi-mag.jp/wp-content/uploads/MOOMIN-teppaku02.jpg?resize=728%2C548&ssl=1)
蒸気機関車に代わり、電化された幹線急行旅客用機関車として製造された電気機関車で、製造当初は沼津機関区に配置され、東海道本線の特急「つばめ」、特急「富士」などの花形特急を牽引していました。
1930年代(日本では昭和6年〜10年頃)、ヨーロッパやアメリカで、流線形のブームが巻き起こり、昭和8年にドイツで製造された電気式ディーゼルカー(特急列車に使用され、駅間平均速度は124km/h)のSVT877形「フリーゲンダー・ハンブルガー」 (Fliegender Hamburger)は、当時、世界的にも有名な機関車になったのです。
世界的な流行を受け、日本の鉄道界も蒸気機関車から電車、気動車に至るまで先頭部に流線形が採用された時代がありました。
こうした流線形ブームを背景に製造された国鉄EF55形電気機関車の場合、最高運転速度は95km/hですが、この程度のスピードでは流線形のメリットはほとんどありません。
片方だけが流線形で、しかも運転席を設置しているので、蒸気機関車と同様に転車台(ターンテーブル)を使って方向転換をするという不便さもあったため、実際には3両が製造されただけで、ストップとなってしまいました。
現存するEF55 1は、昭和27年に高崎第二機関区(群馬県高崎市)に転属、運用を退いた後に長らくJR東日本高崎車両センターで保管されていた車両で、平成27年のGWから鉄道博物館ヒストリーゾーン1階で展示されています。
![EF55](https://i0.wp.com/tabi-mag.jp/wp-content/uploads/MOOMIN-teppaku03.jpg?ssl=1)
![EF55](https://i0.wp.com/tabi-mag.jp/wp-content/uploads/MOOMIN-teppaku04.jpg?ssl=1)
「ムーミン」に会いに鉄道博物館へ行こう! | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag