吉水神社・一目千本の桜

吉水神社・一目千本の桜

吉野山・中千本にある吉水神社の山門を入ったところにあるのが吉野山を代表する桜の名所、一目千本(ひとめせんぼん)。豊臣秀吉の吉野の花見の際にも、ここからの眺めに感動したと伝えられています。吉野の花見はやはり、山を敬い崇める意味からも山を見上げるのが作法と考えれば、ここから眺めるのはまさに作法にかなっています。

吉野山屈指の花見の名所

吉水神社・一目千本の桜

上千本の「滝桜」(山の斜面に針葉樹の間を滝のように連なって咲く山桜の群)もここからなら実に見事。
吉野山の桜は単一クローンのソメイヨシノ(染井吉野)とは異なり、個性豊かな山桜。
花びらの色も、葉の色も種類によって大きく異なるので、「グラデーションの美しさ」を愛でるもの。

その意味でも、ここから見上げる一目千本は、一目千色ともいえるほど、山桜の個性が際立ちます。

ちなみに、吉野の山桜は、吉野山・金峯山寺(きんぷせんじ)を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)が、大峯山中の修行で蔵王権現(ざおうごんげん)を感得。
その姿を山桜の巨木に刻んだため、吉野山の参詣者が1300年にわたって山桜を植え続けたもの。
多様な山桜が交配を重ね、変異を続けて、さらに環境に馴染む多くの種を生み出しています。

そのため、吉野の山桜には巨木がなく、近くで見るのではなく遠くから見るのが作法。
そのなかで、一目千本は「見上げる、見渡す」ポイントとしては随一の場所となっています。

吉野山全体が「日本さくら名所100選」に選定。

吉水神社・一目千本の桜
名称吉水神社・一目千本の桜/よしみずじんじゃ・ひとめせんぼんのさくら
所在地奈良県吉野郡吉野町吉野山579
関連HP吉水神社公式ホームページ
電車・バスでロープウェイ吉野山駅から徒歩10分
ドライブで西名阪自動車道郡山ICから約35km
駐車場中門横・一目千本展望台(8台/無料)、下千本駐車場(400台/有料)、観桜期〜GWには周辺に交通規制が実施されるため臨時開設される郊外駐車場(シャトルバス料込で有料)を利用
問い合わせ吉水神社 TEL:0746-32-3024
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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吉水神社

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吉水神社庭園

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