葛木水分神社

葛木水分神社

奈良県御所市、水越峠(みずこしとうげ)の東麓にある古社が、葛木水分神社(かつらぎみくまりじんじゃ)。水分神社は奈良県下に葛木、吉野、都祁、宇陀の4社がありますが、田畑の潅漑を司る神を祀る社。水分は水配の意で、金剛山・葛城山一帯の水を差配する神ということに。

例祭は河内との水争いに勝訴した日に斎行

承和7年(840年)の『続日本後紀』にも記載があることから、創建はそれ以前、平安京遷都以前に創建されたと推測されています。
吉野水分神社(吉野町)、宇太水分神社(宇陀市)、都祁水分神社(つげみくまりじんじゃ/奈良市都祁友田町)とともに大和国の水分四社の一社で、平安時代編纂の『延喜式神名帳』にも記載される式内社ですが、水分四社では唯一の名神大社(みょうじんたいしゃ=国家祭祀・名神祭の対象となる神々を祀る格式の高い神社)。

祭神は、天水分神(あまのみくまりのかみ・あめのみくまりのかみ)、国水分神(くにのみくまりのかみ)で、水越峠を越えた河内側には建水分神社が鎮座。

水越峠に土嚢を積み堰を築けば、峠に降った水が大和に流れるということで、大和側が水利権を得たことから、天正8年(1580年)頃、堰を崩した河内の農民3名が死罪になるなど、河内・大和の国境を巡って水争いが絶えないことに。
元禄14年12月20日(1702年1月17日)、京都所司代から「大和側古くよりこの水を使っていたにより大和のものなり」という沙汰が出て、結局、水利権は大和側になったのですが、それを祝って葛木水分神社の例祭も毎年12月20日に斎行されています。

葛木水分神社
名称 葛木水分神社/かつらぎみくまりじんじゃ
所在地 奈良県御所市関屋248
関連HP 御所市公式ホームページ
電車・バスで 近鉄御所線御所駅、JR御所駅からタクシーで10分
ドライブで 西名阪自動車道香芝ICから約18km
駐車場 なし
問い合わせ 御所市企画政策部地域活性推進室 TEL:0745-62-3001/FAX:0745-62-3346
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
吉野水分神社

吉野水分神社

吉野山上千本に鎮座する延長5年(927年)編纂の「延喜式神名帳」記載の古社が吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)。明治の神仏分離までは、金峰山の蔵王権現(金峯山寺)に属する修験道の行場で、水分神は地蔵菩薩の垂迹とされ地蔵菩薩(子守権現)を

宇太水分神社

宇太水分神社

奈良県宇陀市、芳野川沿いに建つ古社が、宇太水分神社(うだみくまりじんじゃ)。水分(みくまり)とは水配りが変化した言葉で、社伝によれば、崇神天皇の命により創建されたと伝えられます。現存する本殿は、元応2年(1320年)の築で国宝。春日造の本殿

都祁水分神社

都祁水分神社

奈良県奈良市都祁友田町にある古社が、都祁水分神社(つげみくまりじんじゃ)。水分神社は奈良県下に葛木、吉野、都祁、宇陀の4社がありますが、田畑の潅漑を司る神を祀る社。社伝によれば飛鳥時代の創建という古社で、聖武天皇が伊勢行幸の際に使用した堀越

 

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