日本三大清流のひとつ、岐阜県を流れ、伊勢湾に注ぐ長良川。「鵜飼」で有名ですが、「鵜飼」の鵜もゲットするのはおもに鮎。世界農業遺産にも認定される「清流長良川の鮎」ですが、旬を味わうならいつがいいのでしょう!? 例年5月中旬(遅くても6月)に解禁され、12月末に禁漁となります。
実は季節によって最適の食べ方が異なり、夏は塩焼き!
小京都と呼ばれ訪日観光客に人気の飛騨高山や、そして世界遺産の白川郷、さらには乗鞍岳など北アルプスのイメージも強い岐阜県ですが、キャッチフレーズは、「清流の国ぎふ」。
大日ヶ岳の山中奥深くに源流をもち、叺谷(かますだに)に源流の碑が立つ長良川は、、「清流の国ぎふ」を代表する清流で、柿田川(静岡県)、四万十川(高知県)とともに日本三大清流にも数えられています。
そんな長良川の味といえば鮎。
澄んだ水の中で育つ鮎は、清流の象徴ともいわれる存在です。
清流と鮎が、流域の食や伝統文化、歴史と深く結びつき相互に循環する「長良川システム」ということから、世界農業遺産に認定されているのです。
世界農業遺産「清流長良川の鮎」の発信拠点となっているのが、「清流長良川あゆパーク」。
伝統漁法のひとつである鮎の友釣りや鮎のつかみ取りなどを体験することができ、初夏から夏には多くの家族でにぎわいを見せます。
岐阜県では長良川システムと清流の象徴である鮎をPRするため7月第4日曜を「 GIAHS(ジアス)鮎の日」と定めています。
この7月下旬ころが鮎の最盛期ということになり「夏が旬」という人が多いのもそのため。
しかし常連などは、「若鮎ならではの、柔らかい身。脂が乗りきる前のさわやかな風味を楽しめる」と6月〜7月上旬の「若鮎」(サイズ:12cm〜15cm)を推す人もいます。
この若鮎を味わうのにおすすめな料理法が、「鮎の天ぷら」です。
7月中旬〜8月中旬の鮎は、最も脂がのり、スイカのような芳香が味わえる旬(サイズ:20cm)。
芳香を感じるためにも塩焼きが一番とのこと。
8月下旬ともなると、成長した鮎は産卵のために川を下っていく途中となり、卵を持った「子持ち鮎」となります。
身と卵を一体で楽しむためにも甘露煮、田楽が定番の料理法となるのです。
「長良川うかいミュージアム」によれば、織田信長が天下布武を掲げて岐阜城に陣取った際、長良川鵜飼を来客のもてなしに使ったといい、徳川家康も慶長20年(1615年)、大坂夏の陣の帰路、息子の徳川秀忠と長良川鵜飼を楽しんでいるとのこと。
その年には長良川で取れた鮎を使った鮎鮨(あゆずし=鮎なれ寿司)を将軍家に献上する制度が始まり、御膳御用として幕末まで続いたのです。
家康は鮎鮨が大好物で、10回もおかわりしたというエピソードが残されています。
鮎鮨は、鵜匠の店「鵜の庵 鵜」(岐阜市長良中鵜飼)、「川原町泉屋」(岐阜市元浜町)などで味わうことができます(事前に確認して訪問を)。
世界農業遺産認定「清流長良川の鮎」、旬を味わうならいつ!? | |
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