奈良市の世界文化遺産「古都奈良の文化財」は令和5年で登録から25年の節目を迎えますが、奈良市観光協会では、12月1日、「新・南都八景」を発表。江戸時代に流布していた「南都八景」の令和バージョンで、SNSでの発信を期待し、「映える」場所が選定されています。
SNS映えする八景を「新・南都八景」として選定
「南都八景」は、室町時代の『蔭涼軒日録』に記され、江戸時代には定番化していた東大寺、興福寺周辺の観光名所8景で、東大寺鐘、春日野鹿、南円堂藤、猿沢池月、佐保川蛍、雲居坂雨、轟橋旅人、三笠山雪の8景で、いずれも「東大寺の鐘」というように「の」を入れて読みます。
「古都奈良の文化財」が世界文化遺産に登録された理由は、「日本と中国、朝鮮半島との密接な文化交流の歴史を示している」、「神道や仏教など日本の宗教文化の特徴を示し、今も継続されている」から。
シルクロードの文化が遣唐使によってもたらされた平城京、さらに日本独自の神道思想によって形成される春日山一帯の神域。
大陸の文化を導入し、日本的に昇華したのが奈良時代で、その中心が、東大寺、興福寺・春日大社周辺というわけです。
平安京に都が移されたのは、仏教勢力の政治介入を避けてともいわれますが、平安京を北都、平城京を南都と呼び分け、南都八景が生まれた室町時代には、東大寺・興福寺を管理し、奈良の行政を司った役職も南都奉行と称していました。
新・南都八景
- 東大寺「二月堂の眺め」
- 興福寺「若草山からの興福寺遠望」
- 春日大社「春日鳥居の前でたたずむ鹿」
- 春日山原始林「滝坂の道」
- 元興寺「日本最古の屋根瓦」
- 薬師寺「南大門付近からの白鳳伽藍全景」
- 唐招提寺「金堂」
- 平城宮跡「平城宮跡の空」
奈良市で「新・南都八景」が誕生 | |
所在地 | 奈良県奈良市 |
関連HP | 奈良市観光協会公式ホームページ |
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