奈良監獄は、明治政府による第一期監獄改築計画で1908年に完成した歴史ある監獄。「博物館網走監獄」同様に、五翼の放射状舎房という珍しいかたち。歴史的な赤レンガ建造物で、国の重要文化財に指定されていますが、2026年春にラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」としてオープンする予定です。
レンガ造り放射状舎房の監獄が、48室のホテルに
明治政府の進める近代化の中で、立ち遅れた監獄の整備は急務でしたが、1901年に建築がスタートした奈良監獄を手始めに、1907年に長崎監獄、金沢監獄、千葉監獄が、1908年には鹿児島監獄が竣工しています。
この5つの監獄が「明治五大監獄」で、レンガと石を組み合わせ、西洋の城門を思わせる美しい表門、見事な放射状舎房など、こうした監獄の整備は、幕末から明治初年に締結した在留外国人の治外法権承認など、諸外国との不平等条約を解消しようという意気込みを感じることができる貴重な遺産です(アメリカとの間の関税自主権は1911年に回復)。
この「明治五大監獄」で現在その姿を完全に留めているのは、旧奈良監獄のみ。
現存する明治期の監獄としても五大監獄と同じ構造を踏襲した旧網走監獄(「博物館網走監獄」)と2ヶ所のみ(ともに国の重要文化財)という貴重な遺構です。
五翼の放射状舎房は、中央看守所・事務所を中心として5棟の舎房を扇形に並べる形式。
中央の看守は、扇型の五翼の廊下を一望にできるため、効率的に受刑者を監視できることに。
イギリス生まれのアメリカ人建築家ジョン・ハビランド(John Haviland)が考案した仕組みで、「ハビランド・システム」とも呼ばれ、空から見るとその秀麗さがよくわかります。
旧奈良監獄は、終戦翌年の1946年から奈良少年刑務所として使われてきましたが、2017年に国の重要文化財の指定を受けたことで廃庁、建物の保存活用が決定。
建造物の耐震改修⼯事や史料館、その他付帯施設の開業準備を進める旧奈良監獄保存活⽤株式会社と、星野リゾートの間で、協定書の締結に基づき、旧奈良監獄の赤れんが建造物の魅力を最大限に活かしたラグジュアリーなホテルに生まれ変わることになったのです。
「星のや奈良監獄」の宿泊施設(客室数48室)、レストラン、ラウンジのほか、外来利用可能なミュージアムも誕生する予定。



日本初! 重要文化財の「監獄を再生したホテル」が奈良に誕生 | |
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