新潟県上越市頸城区にある、応用微生物学の世界的権威で「酒の博士」として知られる坂口謹一郎博士の業績を紹介する記念館で、日本酒に関する展示施設が坂口記念館。「酒杜り館」(さかもりかん)では博士の業績や人となりを紹介するほか、頸城村の蔵人が酒造工程で歌った「酒づくり唄」の保存継承を実施。
「酒の博士」坂口謹一郎博士の業績を紹介
菌類や酵母・カビなどの小さな生物が発酵に係り、味噌や醤油、日本酒などができあがるという工程を科学的に解明したのが坂口謹一郎(さかぐちきんいちろう)博士で、調味料の大量生産等、今日の醗酵工業発展の扉を開いたといわれています。
「酒杜り館」(さかもりかん)は、坂口謹一郎博士の遺品や業績を展示品やビデオ映像により紹介し、往時の酒造り道具、上越市内などの地酒を展示しています。
「楽縫庵」(らくほうあん)は博士が好んだ囲炉裏のある書斎を再現した施設。
座敷では、「御酒」(うさき)や頸城杜氏の地酒などを試飲することができます。
「楽縫庵」の名は、書斎に坂口謹一郎博士が自ら命名したもの。
試飲できる「御酒」(うさき)は、昭和10年、坂口博士が沖縄で採取した黒麹菌から瑞泉酒造が「幻の泡盛」を復活させたもの。
戦前の沖縄では各々の酒屋ごとに個性豊かな味わいを生み出していましたが、激しい沖縄戦で沖縄県の黒麹菌は全滅、坂口博士が採取した黒麹菌は、奇跡的に東京大学で凍結乾燥保存されていました。
展示棟2棟のほかに190本の雪椿が植栽される雪椿園も併設(新潟県の木が雪椿、上越市の花はツバキ)。
坂口博士は私財を投入して地元文化人と「雪椿保存会」を結成し、日本原産の雪椿の保存育成に努めたという歴史が背景にあります。
博士の目的は「頸城区の将来に役立ち、農村振興の一助にするもの」であり、単なるコレクションとではなく、「社会に役立つ学問」を目指した農芸化学者ならではの地元・頸城への貢献というわけです。
事前の予約で、頸城地方の伝統食を中心にした「くびきのごっつお膳」を味わうことができます(NPO法人くびき来夢ネット)。
坂口記念館 | |
名称 | 坂口記念館/さかぐちきねんかん |
所在地 | 新潟県上越市頸城区鵜ノ木148 |
関連HP | 上越市公式ホームページ |
電車・バスで | JR直江津駅からタクシーで20分 |
ドライブで | 北陸自動車道大潟スマートICから約6km、上越ICから約10km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 坂口記念館 TEL:025-530-3100/FAX:025-539-2161 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag