北前船の寄港で栄えた旧新潟町のすぐ裏にあるのが日和山海岸(新潟海岸)。夏は海水浴で賑わう海岸の背後、砂丘の上に建てられた展望台が日和山展望台(ひよりやまてんぼうだい)。日和山という名は、漁師が天気や海の状況(日和)を確認したことに由来しますが、江戸時代から展望台のある小高い砂丘は庶民の憩いの場になっていました。
晴れていれば佐渡まで一望にする展望台
天保2年(1831年)頃にはすでに砂丘に階段が付けられていたという記録があります。
以前の日和山は、現在の日和山住吉神社が建つ丘(新潟市東堀通13番町) にあり、信濃川の舟運の安全を図っていましたが、明治13年8月の大火で住吉神社、茶店、舟見櫓を焼失。
明治14年、日和山の北側の場所に新たに船見櫓が設けられ、新日和山と命名されたのです。
新日和山は海岸に臨む高台にあったので、眺望に優れ、料理茶屋や東屋も並び、鮮魚料理や団子が名物となっていました。
春になると海岸に浜茶屋が並び、「浜遊山」(はまゆさん)の人で賑わいをみせました。
その後、大正末期頃から海岸線の浸食が進み、新日和山も断崖になったため、昭和11年、さらに300mほど内陸の現在地に移され展望塔が造られましたました。
現在の高さ9mの展望塔は昭和52年の再建です。
日和山は、北前船の水先案内のために日和を見た場所として日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成資産にもなっています。
そして、その接待場が「浜茶屋」の起こりなのです。
浜遊山がいつごろ始まったのか定かでありませんが、幕末にはすでにその風習があったことがわかっています。
「日和山は住吉神社もあれば有名な団子茶屋が砂丘の上に甘い団子で塩辛くなった喉を和ぐべく待っている。
海岸の傍らには東宮殿下御成りの際の休憩所もある。此処もまた納涼地には持って来いの場所で遊人や職人衆の江戸っ子式な遊び振りを見せるところ」(大正10年7月22日付/『新潟新聞』夕刊)
日和山展望台 | |
名称 | 日和山展望台/ひよりやまてんぼうだい |
所在地 | 新潟県新潟市中央区西船見町 |
関連HP | 新潟観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR新潟駅から新潟交通バス附船町経由入船営業所行きで15分、横七番町2丁目下車、徒歩10分 |
ドライブで | 日本海東北自動車道新潟亀田ICから約8.9km。または、磐越自動車道(北陸自動車道)新潟中央ICから約8.2km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 新潟観光コンベンション協会 TEL:025-223-8181/FAX:025-223-9100 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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