相馬崎隧道(宿根木遊歩道)

相馬崎隧道(宿根木遊歩道)

新潟県佐渡市、佐渡ヶ島の最南端、宿根木(しゅくねぎ)の海岸沿いを歩く宿根木遊歩道途中にある手掘りの隧道(トンネル)が、相馬崎隧道。昭和10年から5年の歳月を費やして海岸の崖をくり抜いたもので、アラメ(食用の海藻)の加工および貯蔵庫として使われていました。

特産のアラメの加工、保存用に手掘りした隧道

相馬崎隧道(宿根木遊歩道)

ゴツゴツした岩肌は、佐渡小木海岸の矢島・経島でも観察できる水中で火山砕屑物が堆積してできた水中火砕岩(水冷火砕岩)なので、掘削が容易で、崩落しづらいという利点があるのです。

そのメリットを活かし、高津昇之助(庄兵衛家の当主、宿根木開墾組合組合長、後に新潟県会議員)が中心となって宿根木特産のアラメの加工、保存用(アラメは乾燥させると2~3年は保存が可能)に5年を費やして掘削したのが、相馬崎隧道です。

現在、宿根木遊歩道の一部となった相馬崎隧道の内部には人感センサーで点灯する照明も完備しているので、散策、そして写真撮影にも絶好です。

近くの岩棚には石造の製塩用の煙突がありますが、東側の新谷岬にあった石切場の石を使っています。
周辺の海岸線は海中公園にもなっているので、自然観察そして歴史探勝にも絶好。

一帯の岩棚は、宿根木の隆起波食台(波によって削られ平らになった海底が隆起)として佐渡ジオパークのジオサイトにもなっています。
波食台が発達する宿根木の海岸は、アラメにとって絶好の生育環境になっているほか、アラメを捕食するアワビやサザエの漁場にもなっているのです。
宿根木のランチは、ぜひ地元産の海産物を使った料理の堪能を。

相馬崎隧道(宿根木遊歩道)
相馬崎隧道(宿根木遊歩道)
名称 相馬崎隧道(宿根木遊歩道)/そうまざきずいどう(しゅくねぎゆうほどう)
所在地 新潟県佐渡市宿根木
電車・バスで 両津港(新潟汽船ターミナル)から約43km
駐車場 10台/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
宿根木(佐渡宿根木伝統的建造物群保存地区)

宿根木(佐渡宿根木伝統的建造物群保存地区)

佐渡の宿根木村(現・佐渡市宿根木)は16世紀末頃、出雲崎から廻船業者が移住して廻船業を始めたと伝えられる湊町。南佐渡最大の湊として発展し、北前船の全盛期の江戸後期から明治半ばには経営者である船主と船頭、そして船乗り、船大工たちが谷あいに密集

公開民家「清九郎」(清九郎の家)

公開民家「清九郎」(清九郎の家)

佐渡、小木港の西3kmにある、宿根木(しゅくねぎ)。江戸中期から明治にかけて、日本海岸と大坂(現・大阪)などを結ぶ、北前船の寄港地となり、佐渡廻船の基地でもあったため、多くの廻船問屋や船大工が居を構えた場所。公開民家「清九郎」(清九郎の家)

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ