長野県上水内郡信濃町野尻、野尻湖(のじりこ)の西岸、国道18号近くに建つのが、野尻湖ナウマンゾウ博物館。野尻湖では、昭和23年にナウマンゾウの臼歯(きゅうし=奥歯)が発見されて以来、湖底発掘と調査が続けられていますが、その研究成果などをわかりやすく展示紹介するミュージアムです。
野尻湖・立が鼻遺跡の出土品などを展示
野尻湖畔の野尻湖定期船会社(野尻湖遊覧船)近くにあり、ナウマンゾウのゾウ狩りの道具など、研究成果や化石などを展示し、野尻湖9万年の歴史を解説する博物館。
ナウマンゾウ、学名をパレオロクソドン・ナウマンニ(Palaeloxodon naumanni) は、日本を代表する氷河時代のゾウで、パレオロクソドンは古いアフリカゾウの仲間の意。
ナウマンニは化石の研究者であるお雇い外国人で、フォッサマグナを発見し、日本における近代地質学の基礎を築いたハインリッヒ・エドムント・ナウマン(Heinrich Edmund Naumann)に由来しています(ナウマンの業績を顕彰しての命名)。
36万年ほど前に現れ、2万8000年前に衰滅していますが、国内では野尻湖のほか、北海道幕別町忠類、千葉県印旛沼、東京都中央区日本橋浜町、神奈川県藤沢市などでも出土しています。
野尻湖の遺跡からは、ナウマンゾウの化石と同時に木製の槍や骨製スクレイパー(皮をはぐための道具)、骨製クリーヴァー(ナタ)も出土し、4万年前の野尻湖人によるナウマンゾウ狩りが行なわれたことを示し、その当時、旧石器人(野尻湖人)の狩り場だったことがわかっています。
発掘場所は、野尻湖ナウマンゾウ博物館のすぐ東側、立が鼻の南にある立が鼻遺跡です。
昭和23年10月、小松屋旅館(閉業)の主人・加藤松之助がナウマンゾウの臼歯の化石を発見したのも立が鼻遺跡。
湖畔を散歩していた際、湖底に埋もれた湯たんぽのような奇妙な形をした「石」を見つけ、その後、京都大学・槙山次郎教授がナウマンゾウの上顎第3大臼歯であることを突き止めたのが発掘の始まりです。
野尻湖ナウマンゾウ博物館では、ナウマンゾウの声が電話で聞けるユニークなサービス「ナウマン象の声テレホンサービス」(026-258-2323TEL)も実施。
1階部分のショップ、カフェ(自動販売機のある休憩所)、観光案内コーナーは入館料なしで入場が可能で、2階が常設展示室、3階が特別展示室という構造に。
国道18号・野尻湖交差点にはナウマンゾウ親子像が立ち、これが目印です。
野尻湖ナウマンゾウ博物館 | |
名称 | 野尻湖ナウマンゾウ博物館/のじりこなうまんぞうはくぶつかん |
所在地 | 長野県上水内郡信濃町野尻287-5 |
関連HP | 野尻湖ナウマンゾウ博物館公式ホームページ |
電車・バスで | しなの鉄道黒姫駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 上信越自動車道信濃町ICから約2.5km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 野尻湖ナウマンゾウ博物館 TEL:026-258-2090/FAX:026-258-3551 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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