長野県千曲市にあるJR東日本篠ノ井線(しののいせん)の駅が姨捨駅(おばすてえき)。全国数ある駅の中でもナンバーワンともいわれる絶景駅で、歴史的にも姨捨駅から眺望する棚田と善光寺平は、日本三大車窓の一つに数えられています。標高551m、善光寺平との標高差をスイッチバックで克服しています。
日本一ともいわれる絶景駅
明治33年11月1日、国鉄篠ノ井線・篠ノ井駅〜西条駅間開通と同時に開業。
平成22年に駅舎がリニューアルされ、手小荷物扱い窓口が再現されるなど昭和9年当時の駅舎に復元、2番線ホームに展望台が設置されています。
この姨捨駅はスイッチバック駅ですが、特急列車などは、スイッチバック線に入らずに通過していくので、駅の雰囲気を味わいたい場合は各駅停車の利用を。
ホームからの夜景は日本夜景遺産(自然夜景遺産)にも認定されています。
ホームに置かれた松尾芭蕉の「おもかげや姨ひとりなく月の友」句碑は、一駅一名物運動で設置されたもの。
松尾芭蕉は、貞享5年8月15日(1688年9月9日)、姥捨山の月を見ようと、越人(尾張の蕉門・越智十蔵)とともに姥捨に到着、翌日は坂城に移動し、3晩続けて美しい月夜を満喫しています。
「俤(おもかげ)や姥ひとりなく月の友」
「いざよいもまださらしなの郡哉」
「身にしみて 大根からし 秋の風」
が芭蕉の句。
「さらしなや三よさの月見雲もなし」
が越人の句です。
この旅が有名な『更科紀行』(さらしなきこう)です。
姨捨の月は、棚田の小さな田毎(たごと)に月が映る「田毎の月」として、土佐の高知の桂浜、石山寺の秋の月と並んで「日本三名月」といわれていました。
運が良ければ、「田毎の月」を眺めることも(棚田に水が張られた初夏の月夜)。
ちなみに「日本三大車窓」はこの姨捨駅のほか、肥薩線矢岳越え、根室本線の狩勝峠ですが、往時の狩勝峠越えの絶景路線(日高山脈がロッキー山脈のように展開)は、残念ながら廃線になっています。
姨捨駅 | |
名称 | 姨捨駅/おばすてえき |
所在地 | 長野県千曲市八幡姨捨 |
関連HP | JR東日本公式ホームページ |
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